第148話『鉱山軍に、不安が広がっていた』
■森林と調和の国:鉱山軍野営地
SE(馬が駆ける音):パカパッ、パカパッ、パカパッ……
【早駆兵】「緊急っ! 緊急っ!!」
【小隊長】「おい、どうしたっ!?」
【早駆兵】「司令部の天幕はどちらですか!? 皇都にて、クーデター及び一般市民の反乱が発生、至急、指令部への取次ぎをお願いします!!」
SE(ざわめく音):ザワッ……
【巡回兵】「クーデター?」
【見張兵】「反乱……? お、皇都に何があったんだ?」
SE(ざわめく音):ザワザワ……
【小隊長】「司令部は、こ、こっちだ!!」
【早駆兵】「ありがとうございます!!」
【弟皇子】「バカなっ!? 鉄皇女がクーデターを起こしただと!?」
【早駆兵】「はっ、私が皇都を発った時には、すでに現皇帝様と兄王子様の身柄は拘束されたとの情報が飛び交っておりました」
【洞将軍】「何かの間違えではないのか?」
【早駆兵】「私が最も早く到着したようでありますが、後に続報が届くかと思われます。真偽はそこで分かるかと……」
【岩将軍】「……皇都が落ちたとなれば、補給もままならん。下手すれば我らは、このまま立ち往生しかねんぞ」
【弟皇子】「ならば、どうするのだ!!」
【洞将軍】「今は、正しい情報が届くのを待つべきかと」
【岩将軍】「そんな悠長な暇があるか! 今すぐ撤退の準備をするべきかと存じます!」
【洞将軍】「何を浮ついているやら、戦場の情勢は常に変わっているのだ。正しい情報を持たずに動けば、手痛い損害を受ける」
【岩将軍】「傷に気づかねば、致命傷にだってなるのだぞ! 早いうちに対処すべき問題だ!」
【弟皇子】「くそっ……くそうっ……」
【小隊長】「申し上げます!! 野営軍上空に、光の怪物が出現しましたっ!!!!」