第147話『エルフ族の儀礼服で、着飾っていた』
■森林と調和の国:“棘”の集落(特務隊天幕)
【男主人】「では、今回の作戦の説明をしたいと思う」
【射手男】「えーーと、男主人様? その、作戦の説明はいいんですけど、後ろに立っている長ミミさんは、いいんすか?」
【長ミミ】「射手男様、私はメイドですので、調度品のように扱ってくださいませ」
【男主人】「いや、それは理由になってないし。一応、長ミミも今回の作戦について、協力してもらうから問題はない。そもそも“棘”の氏族長の娘らしいから、関係者といえば関係者なんだ」
【射手男】「……なんで、そんな人にメイドにしてるっすか? 勇者過ぎるっす!」
【男主人】「語るに語れない事情があるんだ、とりあえず、察しろ!!」
【射手男】「お、おおっ!? なんか、分からないけど、分かったっす! で、それと逆に騎士娘はどうしたっすか?」
【男主人】「ああ、騎士娘には、重要な役目があるからな。事前に確認のため、用意してもらってるんだ……そろそろかな? 長ミミ、連れてきてもらっていいか?」
【長ミミ】「かしこまりました」
【騎士娘】「(部屋の外から)お、押すな。す、少し心構えというものが欲しいっ!」
【長ミミ】「(部屋の外から)こんなことで心構えなど必要ありません。さぁ、入ってください」
【騎士娘】「うあっ!?」
【射手男】「お? おお~!」
【男主人】「ん、いい感じじゃないか? 少し時間が掛かっていたみたいだけど」
【長ミミ】「私が薄化粧を施しまして、後は本人が入るのに少しゴネまして……」
【騎士娘】「うううっ、なんで、こんな格好を……」
【長ミミ】「こんな格好と言われましてもは、“棘”の氏族の女戦士がまとう儀礼服ですが?」
【騎士娘】「だからと言って、こんな白くてヒラヒラとした服装なんてっ……」
【射手男】「別に肌が見えているわけじゃないのに、なんで、そんなに恥ずかしがっているっすか?」
【騎士娘】「や、夜会用のドレスみたいで恥ずかしいじゃないかっ!!」
【男主人】「うん、似合っているんだし、問題はないみたいだね」
【騎士娘】「あううっ……」
【男主人】「何でもやりますって言ってくれただろう? 今回の作戦の主役は、騎士娘なんだから、頑張ってもらうよ」