第139話『すでに、答えは出ていた』
■森林と調和の国:“棘”の集落(特務隊天幕)
【男主人】「や、お帰り」
【騎士娘】「あれ、男主人様だけですか? 射手男は?」
【男主人】「ん、少し騎士娘と話をしたくて、席をはずしてもらった」
【騎士娘】「!?」
【男主人】「えっと、話というのは……」
【騎士娘】「そのっ! お茶を……話の前に淹れますね」
【男主人】「ああ」
SE(お茶の準備をする音):カチャカチャ……トポトポ……
【騎士娘】「どうぞ……」
【男主人】「ありがと。(ずすっ)ん、悪くないね……」
【騎士娘】「それとこれ、砂糖菓子ですが、補給係の人にもらいました」
【男主人】「もらっていいの?」
【騎士娘】「ええ、もらったのは良いんですが、実はあんまり好みではないので」
【男主人】「(カリッ、ずすっ)……」
【騎士娘】「…………(ずすっ)」
【男主人】「で、話だけどね。答えは、出たかな?」
【騎士娘】「…………」
【男主人】「…………」
【騎士娘】「答えは、出ませんでした」
【男主人】「敵を殺せない?」
【騎士娘】「いえ、相手が敵というならば……殺します。いや、殺せる、とは思います」
【男主人】「何を悩んでいるの?」
【騎士娘】「…………敵でなければ、殺さなくても良いのだと、気づいてしまったからです。
あの戦場跡で死んでいたのは、敵だけじゃありませんでした。味方も大勢死んでいた! 敵だって、戦争で、戦場で出会わなければ、笑って語り合えた人だったかもしれない!
馬鹿だったんです……戦争に出れば、騎士としての誉れを得れる……私はその過程に気づいてなかった……。
敵は殺せても、人は殺せません……殺したくありません」
【男主人】「きっとそれが、君の答えなんだよ」
【騎士娘】「そうなのでしょうか? だとしたら、もうダメですね……」
【男主人】「ダメじゃないさ。じゃあ、できるだけ人を殺さない戦争を始めようか(にこり」
【騎士娘】「…………はい?」