第122話『お茶会の約束を、誓っていた』
■草原と平穏の国:男主人邸
【黒ミミ】「話は終わったようだな」
【長ミミ】「え? 黒ミミさん……?」
【黒ミミ】「キョトンとしてないでさっさと出るぞ。向こうは一万人の兵士を率いての行軍だ。今から馬で追いかければ、十分に追いつける。もしくは、先回りをして待ち構えてもいいな」
【長ミミ】「えっと、一体何の話を……?」
【黒ミミ】「何の話をって、今の猫ミミちゃんの話をちゃんと聞いてたのかい?」
【猫ミミ】「聞いてたのかい?」
【長ミミ】「え、だって、その……」
【黒ミミ】「男主人を追いかけるんだろ? アタシもちょうど氏族から召還の指令を受けてね。まあ、向かう先は一緒ってわけだ」
【長ミミ】「…………」
【黒ミミ】「ほら、これが長ミミの分だよ」
【長ミミ】「この背負いバックは?」
【黒ミミ】「旅行中に必要そうな衣類や道具の一式と数日分の保存食を詰めといた」
【猫ミミ】「黒ミミさーん、これはどうするの?」
【黒ミミ】「それでもって、猫ミミちゃんが持ってきてくれたのが、防寒と防熱に特化させた外套だ。
道中で野宿をする時に身を守るのに便利だからな」
【長ミミ】「ありがとう……ございます(ペコリ」
【黒ミミ】「アタシには、礼を言われるほどのことじゃないよ」
【長ミミ】「猫ミミちゃんもありがとう(ニコリ」
【猫ミミ】「礼を言われるほどのことじゃないからね!」
【長ミミ】「…………では、黒ミミさん、ご主人様の所へ参りましょう」
【黒ミミ】「ん、行こうか」
【猫ミミ】「いってらっしゃい! 帰ってきたら、また皆でお茶会をしようね!」
【長ミミ】「ええ、副官女様や妖艶女様、白髪女さんもお呼びしましょうね」
【猫ミミ】「ゼッタイだよ!」
【長ミミ】「絶対です」