草原と平穏の国の物語

～幕間～『従姉妹6』

　■森林と調和の国：氏族長宅

【長ミミ】「1年かぁ……」

【幼ミミ】「ん？　お姉さん、何かあった？」

【長ミミ】「あのね、幼ミミちゃんが、うちに来てもう1年になるんだな、って」

【幼ミミ】「そっかー、まだ1年なんだ……」

【長ミミ】「くすっ……」

【幼ミミ】「どうしたの？」

【長ミミ】「いやー、年はとりたくないねー」

【幼ミミ】「？？？」

【長ミミ】「私は『もう』だったのに、幼ミミちゃんは『まだ』だったでしょ？　私は1年があっという間だったけど、幼ミミちゃんは、とっても充実した1年だったんだろうな、ってね？」

【幼ミミ】「……んた……だよ」

【長ミミ】「ん？　何々？　今、小さく何か言った？」

【幼ミミ】「……魔術師さんやお姉さんたちが会えたから、とっても大事な1年だったんだよ？」

【長ミミ】「幼ミミちゃん……（ぎゅー」

【幼ミミ】「わわわっーー！？」

【長ミミ】「なんて可愛いんでしょう！　私の自慢の妹よっ！（ぎゅー」

【幼ミミ】「く、くるしぃーー！！」

【長ミミ】「でも、そっかー、私のライバルは魔術師殿なのね」

【幼ミミ】「あうっ……別に約束破り男のことなんて、好きじゃないもん。お姉さんの方が好きだよ！」

【長ミミ】「くすくす……」

【幼ミミ】「ほ、ほんとだよ！」

【長ミミ】「はいはい、光栄ですなー」

【幼ミミ】「信じてないーー！！」

【長ミミ】「ふふふ、そんな怒った顔も可愛い……」

【幼ミミ】「もうお姉さんなんて、知らないっ（ぷいっ」

【長ミミ】「あらあら、それは悲しいで…………あ、れ……」

ＳＥ（人が倒れる音）：ドサッ……