第118話『呼び出したら、絶妙に誤解されていた』
■草原と平穏の国:草原軍野営地
【騎士娘】「失礼します。お待たせいたしました、騎士娘です」
【男主人】「おや、早かったね」
【騎士娘】「伝令を聞き、すぐさま身支度を整えて馳せ参じました」
【男主人】「むぅ、それはゴメン。もう少しかかるかと思ってたんで、報告書の作成が終わってないんで……少し休んでてくれるかな?」
【騎士娘】「畏まりました。では、先に準備をしておきます」
【男主人】「お茶か何かがあればいいんだけど、必要物資を優先してるから、嗜好品は届いてないんだよねぇ。手持ちで持ってくれば良かったからなぁ…………ん? 準備?」
SE(衣擦れの音):シュルリ……
【男主人】「って、なんで腰帯を解いてるの……かな?」
【騎士娘】「え? あ、申し訳ありません! 着衣した状態で待っていた方が良かったのでしょうか?」
【男主人】「うん、服は着たままでいてくれると嬉しいけど」
【騎士娘】「やはり、母上に言われた通り、最初から全て殿方に任せて置けば良いのですね?」
【男主人】「何か意思の疎通が上手くできていない気がするなっ!」
【騎士娘】「む、むむぅ……何分、経験が皆無に近く不慣れなため、ご容赦下さい」
【男主人】「いやいや、だからね!!」
【騎士娘】「えっと……では、どうすれば宜しいのでしょうか?」
【男主人】「まずは、状況を見直してみよう。僕は君に用があって、テントまで来てもらった」
【騎士娘】「はい、伝令でそう言われましたので」
【男主人】「僕の用というのは、特務隊についての方針を相談したかったんだけどね?」
【騎士娘】「……っ!?!? えー、あー……理解致しました(汗」
【男主人】「ふぅ、分かってもらえたようで良かっ……」
【射手男】「男主人様、お待たせしま…………失礼しましたっす!!」
【男主人】「……待てーー! 戻って来いーー!!」