第106話『戦争へ行くことを、告げていた』
■草原と平穏の国:男主人邸
【猫ミミ】「黒ミミさん連れてきたよー!」
【男主人】「ありがとう、猫ミミ。これでみんな揃ったね」
【黒ミミ】「アタシたちを、改めて集めてどうした?」
【男主人】「えっと、明後日からしばらく、僕はこの屋敷には帰れなくなる」
【黒ミミ】「……戦争のせいか?」
【男主人】「うん、僕も出兵することのなったからね」
【猫ミミ】「え、ご主人さま……戦争に行くの?」
【男主人】「ああ」
【猫ミミ】「戦争って、危険で危ないのが一杯なんでしょ? だ、大丈夫?」
【男主人】「絶対に安全とは言い切れないけど、こう見えても僕は結構強いからね。大丈夫だよ」
【猫ミミ】「本当の本当に大丈夫?」
【男主人】「まぁ、多分、大丈夫じゃないかな?」
【猫ミミ】「う~……」
【黒ミミ】「それで? アタシたちはどうするつもりだい」
【男主人】「まずは黒ミミだけど、僕と一緒に来て見張りを続ける? それとも、一旦戻る?」
【黒ミミ】「アタシの一存じゃ決めれないんで、返答は保留させてもらうよ」
【男主人】「了解。それじゃあ、長ミミと猫ミミだけど……」
【猫ミミ】「あたしは……この家でご主人さまを待ってたい。ダメ?」
【男主人】「いや、それでもいいよ。人が住まない家は朽ちるのが早いって言われるからね。僕がいない間は、屋敷のことは副官女に頼むつもりだから、いざという時は彼女を頼って」
【猫ミミ】「ご主人さまがいないとツマラナイから、早く帰ってきてね?」
【男主人】「ん、そうだね。すぐに帰ってこれるよう努力してみるよ」
【黒ミミ】「さっきから静かだな。長ミミ、どうかした?」
【長ミミ】「…………いえ、何でもありません」
【男主人】「長ミミは、どうする?」
【長ミミ】「私も保留で、少し時間をいただけますか?」
【男主人】「ん、別にいいけど……早いうちにどうするか決めてね」
【長ミミ】「はい、かしこまりました」