~幕間~『従姉妹3』
■森林と調和の国:氏族長宅
【幼ミミ】「いただきます……」
【長ミミ】「はい、召し上がれ」
【幼ミミ】「(ぱくり)あ……これ……」
【長ミミ】「ん? どうかしましたか?」
【幼ミミ】「お母さまのシチューと同じ味がする……」
【長ミミ】「それは、きっと私たちの母が、母の母から、つまり、私たちの祖母から教わった味だからでしょう。私も母から、このシチューの作り方を教えてもらいました」
【幼ミミ】「…………」
【長ミミ】「今度、幼ミミちゃんにも、このシチューの作り方を教えてあげますね」
【幼ミミ】「うん……」
【長ミミ】「気になる男の人がいたら、このシチューを作ってあげるといいですよ」
【幼ミミ】「男の人?」
【長ミミ】「ええ、家庭的な料理ができる女性は、それだけで“オーガーに棍棒”と言います」
【幼ミミ】「えっと、お願いします」
【長ミミ】「任せておいてください。こんなに幼ミミちゃんに思われて、魔術師殿は幸せ者ですね」
【幼ミミ】「え、ええっ!?」
【長ミミ】「違うんですか?」
【幼ミミ】「なんで魔術師さんのことを考えているのが分かったの……?」
【長ミミ】「幼ミミちゃんも、立派なレディですからね。すぐに分かりましたよ」
【幼ミミ】「そ、そうなんだ……あれ、なんか、ムズムズする」
【長ミミ】「照れちゃって可愛い」
【幼ミミ】「て、照れてないよ? ムズムズするだけだよ?」
【長ミミ】「はいはい、それじゃあ、ご飯も食べちゃいましょう」
【幼ミミ】「うー……(もぐもぐ)」
【長ミミ】「ちなみに、幼ミミちゃんであっても、好き嫌いはダメですよ。私の料理を残すのは許しませんから」
【幼ミミ】「は、はい!」
【長ミミ】「よろしい」