~幕間~『従姉妹2』
■森林と調和の国:氏族長宅
【幼ミミ】「…………」
【長ミミ】「…………」
【幼ミミ】「……あの」
【長ミミ】「なんでしょう?」
【幼ミミ】「わたしと、長ミミさんは、その、家族になるの?」
【長ミミ】「はい。けど、元々私と幼ミミちゃんは血が繋がっているのですよ」
【幼ミミ】「え?」
【長ミミ】「私の母と幼ミミちゃんの母は、実の姉妹ですから、私と幼ミミちゃんは本当は従姉妹ということになりますね」
【幼ミミ】「いとこ……」
【長ミミ】「それから、私と幼ミミちゃんが一度会っているのですけどね」
【幼ミミ】「い、いつ!?」
【長ミミ】「乳飲み子の時なので、幼ミミちゃんは覚えてないと思いますが……その頃は、とても小さくて可愛かったんですよ。もちろん、今も十分に可愛いのですが」
【幼ミミ】「ふ~ん」
【長ミミ】「後で面白いものを見せてあげましょう」
【幼ミミ】「面白いもの?」
【長ミミ】「ええ、私たちの母親たちが若い頃の肖像画です」
【幼ミミ】「見たいな……」
【長ミミ】「見たらきっとビックリすると思いますよ」
【幼ミミ】「ビックリ? なんで?」
【長ミミ】「それは見てのお楽しみです」
【幼ミミ】「じゃあ、今から見に行く……」
【長ミミ】「その前に顔を洗って、先に食事をしましょう。気づいていないかもしれませんが、長い間寝ていたのでお腹も空いてきているはずです」
【幼ミミ】「分かった。えっと、長ミミさん、井戸はどっち?」
【長ミミ】「一緒に付いていきます。それから、長ミミさんじゃなくて、お姉さんと呼んでくれませんか? そう呼ばれたると、妹ができて嬉しいのです」
【幼ミミ】「え、あ……お姉さん?」
【長ミミ】「ふむ、まぁそのうち慣れるでしょう。では、行きましょうか」