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悪魔っ子ミナの魔界冒険譚  作者: minori
第2部 封印の森編
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第16話 絶対絶命

天使たちは、空中に飛び上がって私を攻撃する。


こうなるともう、私の土魔法は、彼らに届かない。私のイライラはマックスになっていた。


「くっそう、こうなったら……!」


土魔法じゃダメ。


それなら、あの魔法しかないじゃないか!


「見てなさい! とっておきの魔法を見せてやるんだから!」


すると空中の天使だちはドッと笑う。


「ははは!とっておきってなんだ!見せてくれよ!」


「どんなすごい初級魔法が見れるのかな?」


「おい、殺さない程度にしてくれよ?お嬢ちゃん」


私はヤジを飛ばしている天使どもの、口を黙らせてやると誓った。


「むきーっ! お前ら吠え面かくなよ!」


その時ラキエルが言った。


「おい、そろそろ終わりにしてやれ!セラフィム様に生きて連れて帰れと言われてるだろう」


「だけど、どうやって捕まえるんだ?俺たちの魔法は強力すぎて、手加減しても殺しちまいかねない」


するとグリエルが声をあげた。


「それじゃあ、竜巻でも起こして空中に飛ばし、失神させるってのはどうだ?」


するとフェザウェルがウンウンと頷く。


「それは妙案だ。良かったな、豚コマ肉にならずに済んで」


そういうと天使たちはまた笑った。


「誰が豚コマや、コラ……」


私は心の中で悪態をついた。


「おいラキエル……カンコネル様がお待ちだ。そろそろやっちまおう」


するとラキエルも頷いて、私の方をチラリと見た。


「そうだな……そろそろやるか」


3人の天使が腕を上げた。


「あわわわ……どうしよう!」


このままでは風で飛ばされ、失神してしまう!


私は指をピストルの形にして、真っ直ぐ天使たちに向けた。


「なんだその構えは!」


「馬鹿にしないでよ!魔力量だけは、馬鹿みたいにあるんだから!」


グリエルは鼻で笑った。


「ストーン・バレットでも打つつもりか……だが、そんなもので我らの竜巻は防げんぞ!」


私は馬鹿にされてイライラした。


「こうなったらやけくそだわ! 勝負よ!」


「馬鹿め!食らえ!マジック・トルネード!」


詠唱とともに、強烈な風の渦が3人の腕から放たれた。


だが、それと同時に私の指先からも、雷魔法が発射されていたのだ。


すべてを吹き飛ばす猛烈な竜巻と、青白い雷光が正面から衝突する!


本来ならば、あさっての方向へ飛んだはずの雷光が、迫り来る竜巻が導体となって電気を運んた。


彼らの攻撃自体が、彼らの元へ電気を届けたのだ。


「ぎゃあああ!!」


天使たちは、私の膨大な魔力を含んだ雷魔法を、その全身にふんだんに浴びて、黒焦げの焼き鳥と化して地面に落ちた。当然ながら風魔法が消失した。


「え! 当たったの?」


私は驚きを隠せなかった。だって私の雷魔法は、コントロールが悪くて当たらなかったから。


「い、いまのうちに逃げなきゃ!」


と、思いながら振り返った時……少し先に1人の天使が宙に浮かんでいた。


カンコネルだ。私はあの焼け跡で見た彼の風魔法を思い出してゾッとした。


カンコネルは水色の髪をした美男子だったけど、その顔は怒りで真っ赤だった。


「えーっと、ごめんなさい!」


「何がご免なのだ。私の部下を黒焦げにしておいて!」


「ままま、まさか当たるとは思わなかったのよ!」


「お前にこんな隠し玉があったとは……正直、君を舐めていたよ」


「ひいっ、そんなことはないんですっ!」


カンコネルは私を睨みながら、両手の指をポキポキ鳴らす。


「本当は無傷のまま届けようと思ったが、少しお仕置きが必要のようだな。腕の1本くらい切り落としてやろうか!」


「ひいっ!それだけはやめて!」


私は心の中で手を合わせた。




その頃アークは、黒猫に治癒魔法をかけていた。


黒猫を落盤からは助け出したものの、アークとの戦闘で随分と怪我をしているようだった。


アークの治癒魔法は初級のみなので、治癒も軽い傷しか治せない。


「うーん、とりあえずはこんな感じか……」


アークは大きく息を吐いた。


「だが、俺は治癒が専門じゃねえ。根本的な治療には至ってねえだろう」


アークは悩んでいた。


その時、森の奥から大きな破壊音がした。


「何の音だっ、くそ!」


こんな深い森の中で大きな破壊音など不自然だ。


「なんだか嫌な予感がする」


アークは空へ飛びあがって周囲を見渡した。


すると遠くの空に天使が宙に浮かんでいるのが見えた。


「あっ!ミナの奴、まさか、あんな遠くで戦闘を??」


彼らが宝を探している限り、ミナが殺されるということはないだろう。だが、連れ去られたり、怪我をさせられたりする可能性は十分にある。


アークは悩んだ。


「この黒猫をこのまま放置して、ミナを救いにいくべきだろうか」


しかし、妙な封印の解け方をいたこいつをここに放置するわけにもいかなかった。


アークはゆっくりと下に下りると、黒猫の脇へ立った。


「これだけはやりたくなかったんだけどな……」


アークはそう自分の胸の中へ腕を突っ込んだ。


「ぐうっ!」


すると、リリアからもらった魔力の玉を抜き出した。そしてそれを丁寧に半分に割ると、半分は自分に戻して……残りの半分を黒猫の胸の中へと押し込んでいった。


「目覚めろ、黒猫!」


アークが完全に魔力の玉を押し込んだ時、黒猫が眩いばかりの光に包まれていった。


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