そっちょく
キーアと闇さまがレモンソーダで、しゅわしゅわしてたら、後ろから凛々し可愛い声がした。
『お、俺も飲む!』
ちっちゃな手を出す光さまに、ビクッとした闇さまが、そうっとグラスを差しだした。
『……ど、どうぞ』
『うむ!』
グラスを受けとった光さまが、照れくさそうに笑う。
闇さまも、ふうわり笑った。
おお、仲良し作戦、いい感じだよ!
グラスを傾けた光さまの目が、まるくなる。
『お、ぉおぉ! ほ、ほんとうだ、しゅわしゅわする!』
光さまが、めちゃくちゃ笑顔だ! かわいい!
『俺も俺も俺も! おぉおおお! しゅ、しゅわしゅわ──!』
風さまの周りで、ほわほわ風が起きてる。かわいい。
『きゃ──! 僕も飲む──!』
ツンデレをかなぐり捨てた水さまが
『しゅわっしゅわー♡』
くねくねしてる!
『……俺の分がない……』
地さまが、ものすごく哀しそうだよ!
「トマ、しゅわしゅわ追加でお願いします!」
「ああ、じゃあ作ってみましょう。レモの実を絞ってください」
『ぼ、僕やる!』
炎さまが、やる気だよ!
くだものを持ったからって実が燃えたりしないみたいだ。よかった。火事になったら大変だからね。
ちょこっと重曹を嘗めてみた地さまが、ちっちゃな手をかざす。
『……もしかして、この鉱石か?』
ちいさな手に、ちいさな白い鉱石がきらきらしてる。
「おお! ちょっとお借りして、しゅわしゅわするか試してみましょうか」
『うむ。やってみるがよい』
とっても、えらそうなのに、手乗りサイズのちっちゃい地さまが、果てしなくかわいい。
『しぼったよ!』
炎さまが絞ってくれたレモの果汁と
『じゃあ僕が水を出してあげるよ』
水さまが出してくれた水と
『では俺が粉砕しよう』
地さまが出してくれた白い鉱石を粉砕したのを一緒に混ぜてみました。
ぽわぽわちいさな気泡が出てきたよ!
「おぉお!」
『しゅわしゅわ!』
精霊さまたちが、踊ってる!
「ぎゃ──! か──わ──い──い──!」
もだもだするキーアにしか見えないらしい光景に、トマもヨニも残念そうに眉をさげてる。
「皆でいっしょにどーなつを作りますよー!」
キーアとトマが手を挙げたら
『おー!』
手を挙げた精霊さまたちが、ぴょこぴょこしてる!
一緒におどるキーアに、ヨニもトマも生温かい目になってる。
「じゃあ一緒に、材料を量りましょうね」
見えないだろうに、微笑んで精霊さまに声をかけてくれるトマが、やさしい。
『どばー!』
麦の粉の袋をだばっと傾ける風さまが、やんちゃだ。
『こら、そんなに一気に出しては散らばるだろう』
『光ちゃんも、いっぱい出してるから!』
水さまに突っこまれた光さまが、ふいと横を向く。
『……だって、いっぱい食べたいだろう』
もしょもしょしてる。
かわいい!
『んしょ、んしょ』
風さまと、光さまが、だばーとこぼした麦の粉を、キーアの髪の後ろから出てきた闇さまが拭いてあげてる!
「かわいー! じゃなかった、えらいです、闇さま!」
『えへへ。きー、ほめて、くれた』
ちっちゃな頬を真っ赤にして笑う闇さまが、とびきりかわいーです。
『おー、ありがとー』
白い麦の粉まみれになった風さまが、にこにこしてる。
『……その、ありが、とぅ……』
光さまが、ぽそぽそしてる。
ビクっとした闇さまが、飛びあがる。
『う、うん!』
しゃっとキーアの後ろに隠れた闇さまが、ちょこんと顔を出した。
『……あ、あのあの……僕のこと……きらぃ、じゃ、な、ぃ……?』
消えてしまいそうな声に、光さまが瞬いた。
『俺に聞いているのか?』
隣の風さまも、首をかしげる。
『あ、俺? 闇は、きらいではない。すきでもない。空気?』
ちょ、風さま──!
そんな正直に言ったら、闇さま、泣いちゃうから!
率直な物言いは素敵だけど、はじめて勇気を出して、仲良くなろうとしてるんだよ、やさしくしてあげて!
キーアのほうが涙目だよ!




