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がんばったよ!




 というわけで、騎士科に入学するために、たんこぶが治ったら、もりもり筋トレするぜ!


 冬に行われる入学試験まで、がんばるぞ、おー!



 ……力及ばず、落ちたときのために魔法科も併願にしておこうかな。


 保険、大事。






 キーアは紀太の記憶を懸命に詳細まで思いだし、白紙の本に書きとめた。


 どんどん風化しちゃうらしいから、記憶がよみがえった衝撃の強いうちに書いておかないとね!

 オンライン小説を読みまくっていたので、対策もかんぺきだ!


 BLゲームでは、主人公が試験を受けるところはなかった。


 ゲームを開始すると名前の入力画面が出て、その次に攻略対象の後ろ姿といっしょに魔法科に行くか、騎士科に行くか選択を迫られる。


 魔法科には、大公子息と、イケメン眼鏡宰相候補の後ろ姿が。

 騎士科には、細マッチョ騎士の同級生と、ゴリマッチョ騎士の先輩の後ろ姿が見えるんだよ。


 はちみつの髪の王子系がいいか、インテリ眼鏡か、細マッチョ騎士か、ガチムチマッチョ騎士かの選択だね!


 はちみつ王子か、細マッチョ騎士か、めちゃくちゃ悩んで、最初は騎士科にした。


『騎士科に入学しますか?』 → 『はい』

 ポチリと押すだけで、次は入学式のシーンだったよ。


 魔法科にゆくと大公子息が、騎士科にゆくと細マッチョ騎士が首席合格で新入生代表として挨拶をしてくれるスチルが出た。きらきらしてた!


「思いだすだけで、よだれ出る」


 あれが3次元で見られるかもしれないんだよ! すごくない?


「はー♡ BLゲームの世界、最高♡」


 よだれを垂らしてる場合じゃなかった!


 試験問題も攻略対象との絡みも何もなく、即入学式だったので、BLゲーム知ってるよチートが何にも使えません!


 ふつーに試験を受けるしかない。


 ここで折れたら推しに逢えない!

 せっかくBLゲームの世界に転生したみたいなのに!

 攻略対象にも、ひとりも逢えないよ!

 そんなの許せるわけないだおぉおオオ!


 キーアのやる気が、最愛の推しに逢いたい一心で燃えあがる。



 顔も名前もないモブの底力を見せてやる!


 がんばるよ、おー!




 推しへの愛に生きるニューキーアは、食事を変え、生活習慣を変え、運動量爆上げ!


 急激に痩せると皮が余ったりするんだけど、そこは15歳で若いからと異世界だから? なんかいー感じになりました!

 にきびも痕なく治ってくれた。うれしい!


「やた!」


 踊るキーアに、おじいちゃん執事のヨニが拍手してくれる。


「素晴らしいです、キーアおぼっちゃま!」


 もさもさしてた髪を、トマとヨニが綺麗に刈ってくれる。



「おお! 前がよく見える!」


 今まで見えてなかったよ。

 そりゃにきびも悪化するよ。


 髪も軽くなって、さらさらになった!


 おお!

 風になびいてる!


 ……今まで、なびきもしなかったよ。


 べったり、ひっついてた。

 にきびに、刺さってた。



 なんか、ほんとにごめん、伴侶(予定)の悪役令息。



 反省したよ!


 入学試験が終わったら、謝りに行こうかなと思います。




 推しに逢えるかどうかの瀬戸際なので!


 謝罪は後日でお願いします!


 

 たぶん向こうは会いたくないだろうと思われるので、全く問題ないと思うな!








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