表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました  作者:   *  ゆるゆ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
63/153

守るのです




「キーア! だいじょうぶだった!?」


 光の速さで駆け寄って、抱っこしてくれるルゥイが、やさしい。


 ぽわぽわ熱い頬で、キーアは、こっくりうなずいた。



「レォさまが、守ってくれたから」


 他の人に言うときは、ちゃんと『レォさま』だよ。

 わきまえたモブを目指しています!



「俺を、いたわれ!」


 真っ赤なレォに、ルゥイが、にやにやしてる。



「いいんだよ、レォ。心のままに叔父上に乗り換えても」


 レォの目が遠くなる。



「一瞬で捨てられて、廃人にされる未来しか見えない」


 ………………。


 こ、こわすぎるハゥザさま……!


 さすがラスボス──!



 カタカタする皆に、ハゥザはあでやかな眉をあげる。


「人聞きがわるいなあ。僕はいつだって真剣に可愛がってあげているんだよ?」


 そして一瞬で終わるんですね、わかります。



「僕に刃向かったレォが、いけないと思わない?

 わるい子には、やさしくお仕置きしてあげないと」


 完璧なくちびるが、あざやかに弧をえがく。



「……ねえ、レォ?」


 ビクンと震えたレォが、耳まで真っ赤になった。

 あふれる汗が、レォの頬を伝い落ちてゆく。



 ぴょこんと跳びあがったキーアは、カタカタしつつも、今は残念ながらちっちゃな身体で前に出る。


 かわいそうなくらい真っ赤なレォを守るように、両手を広げた。



「レォをいじめたら『め!』です! ハゥザさま!」



 皆の目が、まるくなる。


 耳まで真っ赤になっていたレォから、こぼれ落ちていた汗がひいてゆく。



「…………キーア…………」


 ぎゅ


 のびてきたレォの腕に、後ろから抱っこされました。


 振りかえったキーアは、手をのばしてちいさなレォの頭をなでなでする。



「俺だって、守られてばっかりじゃないんだから」


 ちっちゃな胸を叩いて、笑う。



「レォを、守るよ!」


 見開かれた青磁の瞳が、揺れる。



「……キーア……♡」


 ふうわり紅い頬で、とろけるように笑ってくれる。



「でも、ハゥザさまは、ほんとに危険、だから──」


 前に出ようとしてくれるレォを、キーアはちっちゃな背にかばった。



「俺だって、やるときは、やるんだよ!」


 たぶん!


 悪役令息の伴侶(予定)だから、主人公はメロメロになっちゃうハゥザ殿下にも、耐性がちょこっとあるんじゃないのかなー?


 伴侶(予定)補正ね。


 それに今、『2』じゃないしね!



 ハゥザ殿下には『きゃ────♡♡♡♡♡』というより

『ぎゃ──────!!!!!』だから。


 萌えよりも、恐怖が勝つから!


 だいじょぶだろ。

 がんばれ、俺!


 たすけてくれたレォを、守るんだ!



 ちっちゃい身体をめいっぱい広げるキーアを、ぼんやり見つめたハゥザが、ぽそりと呟いた。



「…………僕、家族以外から、叱られたの…………はじめて、かも…………」


 ハゥザ殿下が、ぽやんとしてる。



 ──た、たしかに、この顔面を見ちゃうと、あんまり『こら!』ってできないよね。


 もしかして勇者になっちゃった?


 まあ、歯向かうのに、勇者並みの勇気がいるのは、間違いない。


 さすがラスボス、ハゥザ殿下!



 感嘆してるキーアをよそに、ハゥザの白藍の瞳が、ほんのりうるんだ。



「……キーア、もっかい、『め』って、言って……?」



 あまえるように、ほんのり唇を開かないでください──!


 なんですか、その色っぽさ全開の、とろりとうるんだ目と、うっとり開かれた唇は──!


 声まで、あまくかすれさせるとか、止めてください!


 皆が耳まで真っ赤になってますよ!


 ラスボスだからって、お兄ちゃんの大公殿下まで倒したら、だめ──!



 なんか、キラキラオーラが押し寄せてきた──!


 つい言うことを聞いちゃうじゃないですか……!



「め!」



 ……………………。



 …………言ってしまいました…………


 いや、なんか、あらがえないよね……


 さすがラスボス、ハゥザ殿下……!



『め!』叱られたハゥザの輝くようなかんばせが、ふうわり紅く染まってゆく。



「……キーア……♡」


 とろけるようなあまい声で、名前を呼ばないでくださいぃいい──!



 ハゥザの目がキーアに向いたので、茫然とハゥザとキーアを見つめていた皆が、呪縛から解き放たれたように、顔を見あわせた。



「…………え、うそ、ハゥザが……?」


 一番はやく復活を遂げた大公殿下が、あんぐりしてる。



「……まさか、叔父上まで……?」


 ルゥイ殿下が、引きつってる。



「楽しい」


 クノワ先輩が、楽しくなってる!



「…………キーア…………」


 涙目なレォを、なでなでした。




「だいじょうぶ、俺が守ってあげるから!」


 がんばるよ!









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ