表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました  作者:   *  ゆるゆ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
59/153

とくべつ?




「却下って、魔法科に通えということですか?」


 そうっと、キーアは聞いてみた。


『いやです! 騎士科に行って、最愛の推しの将軍にお逢いするんです──!』


 言ったら絶対に逢えなくなる気がする……!


 なんとなく。


 ハゥザ殿下の、かわいくてちっちゃなお尻に、真っ暗な♡のしっぽが、ふよふよしてる気がするから──!



 逆らったらいけないひと、ハゥザ殿下。


 たぶん、BLゲームのラスボス。まちがいない。


 推しと愛を育みたくても、ハゥザ殿下が出てきて、いじわるされたり、邪魔されたりしちゃって『えぇ!?』って思ってる間に『ハゥザ殿下、かっこいー♡』ってなって『……あれ? 気づくとハゥザ殿下のこと、考えてる……♡』って略奪愛されちゃうんだよ!


 間違いなくラスボスだ!


 …………………………。


 ……最愛の推しより早く、ラスボスが出てくるって、どういうことかな?


 はやすぎない?


 BLゲームが始まるのが入学式だから、始まる前からラスボス出ちゃったよ?


 バグ?


 バグなの──!?


 こわい……!


 でもたぶんハゥザ殿下はラスボスだ……!


 あんまり逆鱗にふれないように、慎重に受け答えするのですよ。


 緊張の拳をにぎるキーアを、面白そうに見つめたハゥザは、完璧な造形の唇を開いた。


「きみの魔法の才を潰すのは、惜しいから。闇魔法と一緒に他の属性の魔法も使えるだなんて、この大陸でキーアひとりかもしれないんだよ。魔法を学ばないなんて、ありえないよね?」


 微笑むハゥザの顔力の圧が、ものすごいです……!


 きゃ──!


『無理です!』とか、絶対言ったらだめな感じだ。


 こわい……!


「……おかしいな。どうして僕が微笑むたびに、おびえるの……?

 真っ白なうさぎみたいでかわいいけど……えぇ……?」


 ハゥザ殿下が、引いてる!


 ……まあ、うん、よしとしよう!

 ひいてください、思う存分!


 そして興味を失ってください、ハゥザ学園長の毒牙にかからないように……!


 ぷるぷるするキーアを守るように、レォが前に立ってくれる。


「あれだけ優秀な成績で騎士科に合格したのに、騎士科で学ばせないのは、納得できません。キーアはとても優秀な騎士になります」


 断言してくれた!


「うわあん! レォ、ありがとうー!」


『レォって呼んで』言ってくれたから、呼びすてちゃったうえに、感激のあまり、抱きついてしまいました……!


 顔も名前もないモブなのに、ごめんなさい!



「…………キーア…………?」


 ルゥイ殿下の声が、大地をえぐってる。



「……これはちょっと……楽しい……?」


 クノワ先輩が、楽しくなってる!







 ハゥザ学園長は、にこやかに微笑んだ。


 びくっとするキーアに、不服そうに形のよい唇がとがる。


 なんですか、その可愛い顔は──!

 バリエーション増やすの、やめてください!

 圧倒的な顔力が、さらにきらっきらになってるよ!


「騎士科も、魔法科も、キーアが欲しいと言って困ってしまってね。たしかに両方の才があるし、基礎はできているようだから、応用と発展分野だけを学習すればいいという案に落ちついたんだ」


 ……本人の了承もなく?


 いやいやいや、応用と発展だけって、無理じゃね?

 魔法科は1週間の詰めこみですよ──!


「魔法科と騎士科の双方に、ルゥイやレォのような特に優秀な生徒だけを集めた組をつくって、特別講義を行う。

 ルゥイやレォはそれぞれの科で一般講義も受けるけど、キーアは特別講義のみ。それだと無理なく受講できるだろうって教授たちが」


 優秀な人たちと一緒に特別講義だけって、拷問じゃないの──!?


 ぎゃ──!


 泣きそうなキーアをよそに、ハゥザが続ける。



「一般講義を受けない分は、ルゥイやレォが教えてあげればいいって教授たちは言ってたけど……」


 ハゥザの唇が面白くなさそうに、きゅっと尖る。


 なんですか、その、ちょっとすねた、キス待ち顔みたいな可愛すぎる顔は──!


 顔面の攻撃力が、すごすぎる……!



「ルゥイやレォの負担になるし、僕でいいんじゃない?」


「だめでしょう──!」


 異口同音なふたりの猛抗議に、ハゥザがちょこっとひるんでる。かわいい。



 ラスボスの可愛いところとか、きゅんとするよね!


 ちょっと、攻撃力が半端ないですよ、ハゥザ学園長!


 しかも、さらっと言ったけど、騎士科も魔法科も、両方教えられるんだ……さすがラスボス……!



「キーアに教えるなら、よろこんで」


「俺も、全く問題ない」


 微笑んで了承してくれるルゥイとレォが、やさしすぎる!



「あ、あのでも、俺、ちょっと、両方は無理かなーって……」


 ひかえめに、進言してみました。


 逆鱗にさわらないように、そうっとね!



「じゃあ僕が教えてあげるよ。手とり腰とり、イロイロ、ね……?」


 とろけるような微笑みで近づかないでください、ハゥザ殿下──!


 きらきらエフェクト出てる!


 さわると、すきになっちゃうとか、そういうの!?


 もしかして、トラップなの!?


 さすがラスボス……!



「僕に」

「俺に」

「教えてもらうよね?」


 ルゥイとレォに覗きこまれたキーアは、涙目でうるうるしながら、ぶんぶんうなずいた。



「……ちょっと、楽しい……?」


 クノワ先輩が、楽しくなってる!








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ