表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令息の伴侶(予定)に転生しました  作者:   *  


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

118/121

受けつけません




 ゼァル将軍が、ハゥザ学園長を振りかえる。


 最愛の推しの一挙手一投足を目に焼きつけてしまうキーアは、常に拝み体勢が万全です。


「学生の班は、俺を召喚する魔道具をハゥザに渡しておこう。ハゥザ並の魔物が出たら呼んでくれ」


 ……学園長並みの魔物……?


「それ世界の終わりじゃない?」


 フィリが笑って


「失礼な。僕はそんなに強くないよ」


 ハゥザも笑う。


「……顔面は世界最強級だと思います」


 ルゥイの目が遠くなってる。







「僕は保護者だから、班の統率者を決めて、皆で魔物の探索を行ってね。実戦だから気を抜かず、がんばって」


 にこにこするハゥザ学園長が、スパルタすぎる。



「え、こんな風に探索するんですよとか、魔物を討伐するんですよとか、何にもなしですか!?」


 のけぞるキーアと一緒に、ネィトもマェラも引きつってる。



「魔物がいるか確認、弱そうだとぽこる、強そうだと逃げる、だろ? 何か難しいことあるか?」


 ガダ先輩の言う通り、なのか、な……?


 さすが脳筋?



「キーアは僕が守るから」


「キーアは俺が守るから」


 ルゥイとレォが微笑んでくれるのに、うれしくてふわふわ熱い頬でキーアも笑う。



「俺も、ルゥイとレォを守るから! 勿論、ネィトも、マェラも、ガダ先輩も!」


 どんと胸を叩いてみました!



「おお、勇ましいな!」


 ガダ先輩が、頭をぽふぽふしてくれる。


「ちっちゃいのに」


 ひとこと、余計です、ガダ先輩。





「統率者は、ルゥイが、やじゃなけれは、ルゥイがいいと思います!」


 手を挙げてみたキーアに、皆がうむうむしてくれる。


「だな」


「うん!」


「さんせーい!」


 よかった。


 BLゲームでは、一番親密度が高い攻略対象が統率者になってくれるのだけれど、ガダ先輩になると、ガダ先輩ルートでない限り、魔物討伐に失敗する。


 ガダルートでない限り、統率者にしてはいけない、ガダ先輩。


 そして、もっとも魔物討伐が成功する確率が高いのは、ルゥイなのです!


 攻略サイトに書いてあったよ。

 ゲームをやりこみにやりこみまくった紀太の実感としても、ルゥイが引率してくれると魔物討伐は成功する。


 なのでここは、ルゥイ推し! ルゥイ一択です!


 秋のイベントじゃなくて春だし、何が起こるかわからないし、一番確率の高いルゥイでお願いしますよ、皆さん!



「いいと思う」


 レォの言葉に、ルゥイが振りかえる。


「いいのか」


 意外そうに聞くルゥイに、レォがうなずく。


「俺は将にあまり向いていない。キーアと模擬戦をして、実感した」


「そんなことないよ! 皆、レォに俺を近づけないようにって、必死で闘ってくれてたよ!」


 キーアの叫びに青磁の瞳が瞬いて、レォは首を振る。



「それは授業だから。キーアみたいな求心力はない」


 前に出たネィトが、ちょこんとひとさし指をたてる。



「きーちゃんと戦ったら負けるところで、闘わない。

 レォさまは、ちゃんと将をやれます。ゼァル伯父上だってやってるんだから!」


「…………今、とても自然に、けなされたか……?」


 皆に魔道具を渡していたゼァル将軍が、切ない目になってる。



「キーアとネィトの気もちはうれしいが、将にはルゥイの方が向いてる。いやじゃなければ、ルゥイが」


 レォの言葉に、ルゥイはレォの目をのぞきこむ。


「二言はない?」


「ああ」


 レォがうなずくのをしっかり確認したルゥイは、微笑んだ。



「ではロデア大公立学園学生は僕、ルゥイ・トゥナ・ロデアが統率する。6人であまりに固まって行軍すると効率がわるい。よって、騎士科、魔法科でひとりずつ組みになって、すぐに助けにゆける距離で探索を行うこととする」


 レォが、とてつもなく厭な予感を感じたように、涼やかなかんばせを歪めて、ルゥイがはちみつのように笑う。



「僕とキーア、ネィトとレォ、マェラとガダ先輩で組になるのが最も効率がよいと思う。なお、緊急事態につき異議は受けつけない。以上だ」


「く──!」


 とっても悔しそうなレォの隣で、ネィトがぷっくりふくれてる。


 かわいい。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ