9 まだ見ぬ異世界の風景。
「う~ん【異世界】って想像できないでござるよ。」と弱音を吐くのは12歳の【オタク】である。
「【オタクの王様】なんだろう?弱音とは珍しいな・・」という憲明に対して【オタク】少年は・・
「オタクと呼ばれているのは【コンピューター】の分野でござる。歴史とか地理とか12歳には難しいでござるよ。」と答える。
俺が「そもそもゼロから作ろう!と思うから大変なんじゃないか?売店で【世界地図】を買って来るから、それを【加工】すれば良い!」と提案すると・・
「「先生!それで良いでしょう?」」と、子供達も乗っかった。
「まあ・・地理の勉強にもなるしなあ・・良いだろう。」と言うので俺は売店に行く。
そして【世界地図】【ハサミ】【ノリ】【大判用紙】を買って戻って来ると<ワイワイ> <ガヤガヤ>・・と「切った貼った」の大騒ぎとなった。
<<出来た!>>
【〇〇ちゃん】が・・「地震とか噴火はイヤだなあ。」と言うので・・結果「火山帯の無い世界」が出来上がったのだった。
誰かが俺を指指して「じゃあお金を出したお爺さんが【神様】だ!」と言った。
俺は<ここは乗っかってやろう>と思い・・「よくやった【使途】のみんな・・今より、この世界を【創造】する。」そう言った時である・・
<ピコーン!【新世界】創造を承諾しました> というアナウンスが流れて来たので俺が<キョロキョロ>していると・・
「あれ?今スピーカーから声が聞こえた気がした。」とか・・「新世界が出来ました~って言わなかった?」と、子供達が<ワイワイ>と騒ぐので俺は・・
「ほらほら。騒ぎすぎると先生に怒られるよ!」と言うのだが・・・先生はと言うと「今日の授業はここまでだ!」と、憲明は真面目な顔になり・・・
「チョット悪い。先生は電話をかけて来るから片付けをお願いね。」と言うと、何処かへ行ってしまったのだ。
個室に戻った俺は「息子と、もっと接してやれば良かったなあ。」と、自分の人生が間違っていた事を反省していたのだ。
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翌日検査を終えた俺は、休憩スペースで新聞を読んでいると・・
「「時空神さま!」」と俺を呼ぶ子供達の声が聞こえたので、振り返ると・・
異世界が描かれた【大判用紙】を持った子供と【ノートパソコン】を持ったオタクが来た。
俺は「時空?何だって・・」と聞くと、オタクは「あの後、先生が戻って来て【設定】してくらたんだ。」と言う。
子供達は「お爺さんは【時空神】で、異世界【アズガルド】を創造した神様なんだよ。」と言う。
「僕たちは【13使徒】なんだって。」と喜ぶのだった。
俺が憲明に会おうと病室に向かうと・・<おい!もう〇〇ちゃんには構うな!> と、30代の看護師?の胸ぐらを掴む息子を目撃してしまったのだ。