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4 反省した者にだけ見える風景。

「終焉?」3人がキョトンとしていると・・「「チイちゃんどうした!」」「「チイちゃんをイジメるな!」」とドカドカと音を立てて・・小学生~中学生風の集団が【大悪党】らを取り囲んだ・・



俺は事情を察し、護衛に問う・・「お前!指定席を取ったと言ったが【この子ら】の席だったのでは無いのか?」と問いただすと・・


男は「申し訳ございません!店主に確認はしたのですが・・キャンセルになったと言われ・・」と、深々と頭を下げた。


「頭を下げる相手が違うのではないのか?」と言う神尾に対し・・


【チ―】と呼ばれた女の子から・・「もういいよ、来るのが遅くなったあたしらも悪いし!・・お爺さん一緒に食べよう。ケンカしていたら美味しいものもまずくなるから!」と助け船を出されたのであった。


====終焉のフロア====


屈強な護衛の2人と、かつて・・否!現在も裏社会では【悪の華】とも【黒い太陽】とも呼ばれる俺だったが・・


「「「うん!美味い」」」南国のリゾートアイランドで鍛え上げられた絶品パフェには負けてしまった様子である。


「ところでお嬢ちゃん・・さっき【終焉のフロア】とか言っておったが、あれは何かの?」と神尾が質問すると、女の子は黙って丘の方を指さし・・ひたすらパフェをほおばっていた。


「みんな!ごめんね~車を停めるところが無くって!」と言いながら、30歳?位の【医療従事者】の作業着を着たスタイルの良い女性が、バタバタと音を立て慌ててテーブルに駆け寄って来た。


その女性は神尾達を見ると【当然】・・<ヒイ!反社?>と震えを隠せない様子であったが気丈にも・・


「すいません!この子たちは【総合病院】に入院している子供達でして・・今日は月に一度の外出許可日なのです・・だから興奮してしまって・・」と説明するのであった。


子供達はと言えば・・マイペースに食事を楽しんでいた。


すると、小学6年生?位の男の子が・・「どうして?オジサンたちは【怖い恰好】しているの?」質問してきたので、つい調子に乗った神尾が・・


「おじさん達はねえ・・フフフ・・少々危険な仕事をしていてねえ・・【明日をも知れない命】なのだよ」と言うのだが・・・


「そう・・じゃあまだマシだね」とスプーンをパフェに差し込み【チ―】が顔を上げると、3人の大人達に告げる。


「わたしらは【今すぐ死ぬ】かもしれないんだよ」と。


             「「「・・・」」」


自分達の愚かさに気が付いた神尾は、立ち上がると、子供達に向き直し・・・腰を少し低くし・・手を握って足の付け根につけ・・頭を深々と下げるのだった。


「まいりました!申し訳ございませんでした」と謝罪をする・・2人の護衛もあわてて神尾と同様の謝罪を行った。

この形式の謝罪は【裏社会】では目上の者に対してしか行わない【服従】とも言える最高の謝罪であった。


俺は【この子供達】への非礼に対しては最高位の謝罪を示すべきだと思ったのだ。


「わかれば良いのよ!はやく食べないと【死んじゃう】よ!」「そうそう!【時間が無い】のよ」


子供達の【現状】に圧倒された3人は、言われるがままパフェをほおばるのであった。



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