3 子供達だけが見える風景。
「病院にまっすぐ向かいますか?」と言う男達に対して俺は・・
「せっかくだからパフェ!とやらを食ってみたい」と、いたずらっ子の様に答える。
「パフェ?ですか・・神銀さま!明日は【検査】なのでカロリーの高いものは止めておいた方が・・」と運転手の護衛が言うも・・
「ワシを【神銀】など呼ぶでない!・・ただの老人【神尾銀次郎】に戻ったのだ。」とニコニコと笑う老人の笑顔に・・護衛の2人はもう何も言うことはなかった。
本島のマリーナに遊覧船が着き・・近くの【喫茶店】の前に来ると男達は・・
「私がまず、店主に話を通して来ますので、御前はお待ちください」と告げる。
「普通にもどる!」とか言った俺ではあったが、過去に何回も【暗殺】されかけた過去があるため、慎重さだけは勘弁願いたい・・
男の一人が戻り・・「御前、丁度海が見える席を【貸し切り】にしておきました!」と満足気に告げる。
ちなみにだが・・俺の服装はと言うと【白のダブルのブランドスーツ】に身を固め、胸には【赤いバラ】頭には【パナマハット】&【レイバンのサングラス】と【白いヒゲ】も合わさって・・「うむ!普通の老人じゃの。」
『『 いや!誰が見ても【昭和のフィクサー】でしょう!(男達の心の声) 』』
<<ヒイッ~反社だ!(>_<)>> <<ヤバイやつらが来た(*’ω’*)・・>>
長年の【フィクサー暮らし】のせいで、服装や生活態度が【顔役】から抜けない神尾であったが、案外鈍いところが玉に瑕である。(作者)
出迎えた店主に俺は「パフェを3個!たのむ」と告げるが、店主は・・
「ひゃあぁ!・・はいい~ ( ;∀;)」と声を裏替えさせ・・若い女性店員は「しゅ・・しゅぐに!ご注文を伺いに・・まいります!」と、精一杯、失礼の無いように【神対応】を心がける。(神尾だけに)
「ふむ・・なかなか良い店じゃ。リゾート地の喫茶店としては合格である!」
屋外の席は10席ほどあったが・・当然他の客は帰ってしまい・・3人だけが【指定席】と書かれた海を見渡せる最高の席に座っていたのではあるが・・
「ちょっと!【そこ】は、あたしらの席なんですけど!」と言う声で神尾は振り返える・・
「はて?女の子の声が聞こえた気がしたのじゃが・・」キョロキョロと辺りを見渡す3人の【悪党】どもに・・
「どこ見てんのよ!コッチ。」と更に大きい声で文句を言うのは・・テーブルに頭が隠れる位の【小さな女の子】であった。
「おお!可愛い女の子じゃ。一緒に食べるかい?」とほほ笑む神尾
それに対し・・6~7歳?の女の子が・・更に大きな声で怒鳴る・・
「バッカじゃ無いの!だから、この席はあたしら【終焉のフロア】の指定席だって言ってるのよ!」
と両手を腰に当て仁王立ちになった女の子が【3人の大悪党】に物怖じもせずに怒鳴りつけたのであった。