11 未来が見えると感じた風景。
<お母さん!僕、絶対行くからね。> <私も行く!どうせ死ぬなら大自然の中で死にたい!> 子供達は【見舞い】に来た親の承諾を取るために大喧嘩が勃発してしまった。
それだけでは無かった・・「拙者が『終焉のフロア』の子供達が修学旅行に行ける様に!ご協力をお願いします。と【クラウドファンディング】で呼びかけたら!10万円も課金が有ったでござるよ!」と言うオタク・・
パソコンを触った事も無く、現在もガラケーを使っている俺は息子の個室に行くと・・
「父さん!また【やって】くれましたね。父兄からの苦情殺到ですよ!」と怒られてしまった。
そんな時タイミング悪く、息子の【元妻】がお見舞いに現れたのだった。
「あら!お父様も入院されていたのね。『終焉のフロア』の【地獄の修学旅行】だったかしら?やっぱりトラブルのある所『お父様』ありきなのね!」と言う元嫁に対して・・
「離婚した元妻が?何しに来たのだ!」と、流石の俺も不機嫌になる。
「お父様!現代は【共同養育】の権利がありますのよ。ですから今日は可愛い【孫娘】も連れてきておりますの!」と言う元嫁だった。
俺は「俺が顔を合わせられるハズ無いだろう。孫を不幸にするだけだ。」と言うと・・
「そうおっしゃると思って【休憩スペース】で待たせてありますのよ。ホホホ」と返されたので・・「お嬢さん。隣に座ってもよろしいかな?」俺は、腹立たしく思いながらも・
実の孫娘と~おそらくは【最初で最後】の会話をするのだった。
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翌日、個室に来た【女性看護師】が検温しながら・・俺に言う「神尾さん!知ってます?TVキャスターの愛染アナウンサーは【ガリベン】の元奥さんですって!」と言うので・・
俺は「あの・・【ガリベン】?て誰ですか・・」と看護師に尋ねると・・
「ええ!そっちですか?【ガリベン】って、愛染アナウンサーの【元】旦那様で、小児病棟教諭の男性の事ですよ!」と教えてくれたのだ。
<良い事聞いた!> 早速、息子の個室に行き・・「ガリベン君!元気にしているかね?」と言うと揶揄うのだが・・「父さん!とにかくテレビを見てくれよ!」と言って、俺が寄付した8K大型テレビを付ける・・
「・・ですから子供達だって【楽しむ】権利があってですねえ。」
「でも【終焉のフロア】と呼ばれる重病の子供達を、外で遊ばせるのは危険なのではないかと・・」
世の中【暇】なのだろうか・・元妻が来たので、てっきり【俺】のネタ狙いだと思ったのだが・・世間の間では『命がけで生きたい修学旅行』とか『地獄の修学旅行』とか・・注目を集めていたのだった。
<ブーブー>と、マナーモードにしていた俺のガラケーが鳴った。
出て見ると・・院長が「ちょっと来て」と、俺を呼ぶのだった。




