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1 夜を支配する者だけが見える風景。

「銀さん!」

「師匠!」

「アニキ!」

「神銀!」

「神銀さま!」

<<本当に!辞めてしまわれるのですか?>>


ここは【我が国】で夜景が一番美しく見える【丘】・・


通称【●●ヒルズ】と呼ばれているタワマンの最上階の一室である。


【俺】は窓から夜景を眺めながら・・「ああ、本気だとも」と集まった皆に言う。


<<ザワ ザワ>>・・<<ザワ ザワ>>・・高齢で、背の低い【俺の背中】をただ眺めながら、小さく震える男女が居た。


実を言えば、彼らは我が国を代表する【ワル】どもである。


現在の状況は俺の家に各界を代表する【裏社会の支配者】達が一同に集まったと言ったところだろうか。


誰かが沈黙を破り、口を開く・・


「アニキとは、俺が年少(少年院)を出た頃からの付き合いでした・・」

キッっと、固くまぶたを閉じて・・懐かしむように語る男は・・【暴力】をほぼ牛耳る男であった。


「私は【神銀】さまに拾っていただいき、夜の女王などど二つ名をいただくまでに育てていただきました。」と、うつむく美女は【風俗】をほぼ牛耳る女性である。


「師匠!今日は【弟さま】も見送りに来ております」と、マンションの玄関扉を開ける男は【詐欺部門】の代表である。


ギイ~と重く高級マホガニーの扉が開くと・・ラオウ?とも見間違える巨漢の男が扉の外に音も無く控えていた。


紹介された【その男】がユラリ~と部屋に入る・・巨漢の割に音も無く進む男に対して皆は言いようの無い緊張を感じ誰も動け、冷や汗すら感じていた・・


しかし・・【神銀】と呼ばれた俺だけは、巨漢の男性を見て【望郷の念】が沸き・・


「おまえ!人前に出て良いのか?」と、巨漢の初老男性に声を掛けた。


いつの間にか・・音もなく向き合っていた【二人】に気が付いた他の者達は・・


二人が【人外】の存在であると思わずにはいられなかった。


初老のラオウが擦れた声で言う・・「引退は俺のせいなのだろう?兄者」と。


「いや・・年のせいさ【御頭おかしら】」と、敬語を使い俺は低く笑う。


「そんな事よりも!お前・・いや御頭が【人前】に出て来るのは、一族のご法度だったはず!」と言いながら周りを見渡すと・・


いつの間にか見知らぬ【黒装束】を着た者達が、【各界のドン】らの背後を取っていたのだった。


初老の大男が【手をあげる】と、黒装束の者達は<サッ>と姿を消すのであった。


「大丈夫だ兄者。実は大分前から彼らとは【協定】を結んでいたのだ。


部屋の中で一番の高齢者が口を開く・・「ふう!相変わらず【あんたら】は恐ろしいよ!ところで・・【神銀】には話していなかったのは謝る!【弟さま】から口止めされていたのだ!」と言うのは【窃盗部門】の代表者であった。


世紀末ラオウ?は神銀に対し・・「兄者が29歳の時、村を抜ける!と言い出し、お頭・・イヤ【オヤジ】から俺と【死合い】を命令された時の【胸の傷】は、本当に大丈夫なのか?」と心配げな顔は普通の兄弟の様であった。



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