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いじめられっ子、世にはばかる 〜英雄に憧れて〜  作者: 十三夜
第1章 ひとりぼっちの少年
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いじめられっ子、魔物に襲われる

襲われてるシーンをちょっと変更しました。


――ガルルル……


 ダンジョンに響き渡る、何かが唸る声が、僕の目を覚ました。

 

 そうだ……、ここはダンジョンの奥地、危険な魔物達がたくさんいる場所……だ!


 目を開けると、僕は狼のような魔物達に、身体中至るところを噛みつかれていた。

 魔物たちは、物凄い勢いで噛みついてくる。

 頭、肩、腕、太腿、足………、もうこれ以上噛み付く場所が無いくらい、魔物たちが僕の身体に群がっているのだ。

 しかし、魔物たちがどれだけ顎に力をこめても、その鋭い牙は僕の身体に食い込んではいなかった。



 「離してっ!!」



 僕がいくら大声で叫ぼうとも、魔物たちは、全く気にする素振りはなく、容赦なく僕の身体中に噛みついたまま、放そうとせず、あらゆる方向へと引き摺り回される。

 

 少年の頼りない力では、とてもではないが抵抗することはできない。しかし、僕の身体は噛み千切られることはなかった?


 魔物たちは、自分たちの思うようにいかず、イライラの極地に達している。噛みつき続けるその口からは、垂れ落ちる涎とともに、力をこめすぎた為か、それには魔物自らの血も混じっていた。


 すると、後ろに控えていた白い毛並みで、一際身体の大きな魔物が遠吠えをひと泣きすると、他の魔物を押しのけて僕に近づく。


 そして今度は今までと違い、白い狼ただ一頭、僕の足に噛みついて、自らの頭を勢いよく回しながら、僕の身体をブンブンと振り回しはじめた。


 僕の小さな身体は、その勢いに抵抗することなどで出来るはずもなく、ほぼ無抵抗で振り回された。



「――っっっ!?」



 唸ることすらできず、なされるがままに振り回されている僕。このまま遠心力で身体がちぎられるのだろうか?それとも何処かに叩きつけられるのか?


 

 振り回され、頭に血が偏る。

 もうだめか……

 そう思い始めたその時――



 僕はダンジョンの壁に向かって投げ飛ばされた。



 ドカンっっ!



 頭の先から勢いよく壁にぶつかった僕は、朦朧とする意識の中、自分の手足がまだ身体から離れてないことを確認した。


 そして、相当な力により叩きつけられたはずの頭からは、傷ついて血を流すこともなく、白い以外特徴のあまりない顔も、そのままの形をとどめているようだ。


 魔物たちは、どれだけ無制限に暴力を奮っても、自分たちの思い通りにらならない僕に呆れたのか、それとも飽きたのか。白い毛並みの魔物に引き連れられてこの場から去っていった。


 僕は、頭に受けた衝撃に朦朧としながら、一堂に去っていく魔物たちの後ろ姿を眺めていた。


「なんとか我慢比べに勝てたのか……。」


 安心したと瞬間、崖から落とされた時の身体の痛みと、魔物に壁へ投げ飛ばされた時の痛みが合間って、またもや意識を失ってしまった――

 

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拙い文章ですが、読んでいただいている皆さんに感謝です。楽しんでいただければ幸いです。
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