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いじめられっ子、世にはばかる 〜英雄に憧れて〜  作者: 十三夜
第2章 ふたりぼっちの冒険
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おしゃべり妖精の憂鬱


――ヒロの役にたてた!



 小さな妖精は、自らの小さな力だけでは大好きな少年の役にたてずに落ち込んでいたが、今回、三人の精霊たちを仲間にできた事で少しでも役にたてたことを喜んだ。


 元々は、風の精霊であったらしい自分だが、進化というか、いつの間にか精霊の中から妖精として生まれ変わった為に、精霊としての力は無くなってしまっている。


 ただの精霊とは違い、しっかりとした身体が持てた事により、大好きな少年と話したり、触れ合ったりできることは、妖精にとって喜びであり、そして、精霊としての能力を無くしてしまったその身体は、妖精にとっての悲しみでもあった。



――自分の力で役にたちたい



 そう願うも、今のこの身体では無理が多い。



――どうせなら、ヒロと同じ身体の大きさなら良かったのに



 つい、叶うことのない願いが頭をよぎってしまう。

 ただ、これからも、例えこの小さな身体だとしても、優しい少年の為にやれることをやりたい。やってあげたい……

 

 そう、決意を固める小さな妖精だった――



        ▲▽ ▲▽ ▲▽ ▲▽



 俺は、自分の魔力がどのくらい持つのか、精霊たちは、どのくらいの威力調整ができるかなど、2度目、3度目のゴブリン討伐依頼をこなしながら見極めようとしている。

 短期間で終わらせることができるクエストなら、魔力切れを起こしても逃げられると考えたからだ。


 実験中、魔力については、今のところ魔力切れを起こした事はない。


 ベルさんが、食べ過ぎ注意!とばかりに精霊たに呼びかけるので、一回の能力行使に使う魔力は控えめになったようだ。


 戦闘中は、常に障壁を貼り続けているので、やはり魔力量はかなりのものになっているのだろう。


 火蜥蜴、土小鬼、波の乙女を三人同時に使役しても魔力に余裕があるので、今後、長期間の活動になってしまうダンジョン探索でも大丈夫そうだ。


 精霊たちも、俺の呼びかけにはしっかり応えてくれる。精霊たちからの呼びかけを感じとることができないので、どうしても一方通行のコミュニケーションになってしまうが、そこは、自称指揮官のベルさんにお任せしよう。



『まったく、あんた達は、油断するとすぐにたくさん魔力を食べようとするんだから。そんなに強い力を使わなくても充分な攻撃になってるんだから、もう少し遠慮しなさいっ!』


 一応、ベルさんが、威力の調整も兼ねて、精霊たちと話をしてくれている。

 俺ではできない事だし、助かるな〜。


――ありがとう。ベルさん。



        ▲▽ ▲▽ ▲▽ ▲▽


 

( 精霊たはしっかりとヒロの役にたってるのに、私は…… )


 

 自分はパーティーの指揮官だから、と口ではいってみても、実際に魔物を倒したりは自分にはできない。


 ヒロの頭の上で騒いでいるだけ………。



( こんなんじゃ、全然足りない……。あぁ……私にも何か才能があれば……。)



 おしゃべり妖精は、その内面にある焦りを大好きな少年に気づかれないように、いつもより賑やかに喋り続けていた――



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拙い文章ですが、読んでいただいている皆さんに感謝です。楽しんでいただければ幸いです。
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