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いじめられっ子、世にはばかる 〜英雄に憧れて〜  作者: 十三夜
第2章 ふたりぼっちの冒険
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ふたりぼっち、泣いたあと


 2人は泣いた。

 涙が枯れるんじゃないかと思うほどに。


            ♢


 俺は、またかという思いが強かった。



――なんでこうなっちゃうんだろ。


 カヒコとアメワの2人は、確かに俺を認めてくれていたと思う。

 それなのに、他の3人の言葉ひとつで、ああも自分たちの意見を変えてしまった。


 人の心は弱い――


 自分に不利益が来てしまうかもと、ほんの少し揺さぶられただけで、簡単に信念が折れてしまう。


 俺は、弱い者を護れる英雄になろう。

 

 たとえ、自分に不利益が押し寄せてくるとしても、


 人を傷つけるなら、自分が傷ついた方が良い。


 こんな辛い思いは、俺だけで充分だ――



        ▲▽ ▲▽ ▲▽ ▲▽

 


 私は、こんなに後悔したことはない。


――なんで私は、あんなことを願ってしまったのだろう。


 ヒロが、今までたくさん傷ついてきてることは知ってたらはずなのに、自分にとって面白くない事だというだけで、ヒロをまた傷つけてしまった。


 人の心は弱い――


 簡単に誘惑に負けてしまい、もしかしたら相手が不幸になってしまうと解っていても、自分の事を優先にして、相手のことを考えることを放棄してしまう。


 私は、傷ついている人に寄り添える英雄になろう。


 たとえ、自分が損をして、相手が得な状況になるとしても、


 人を決して傷つけないように。


 こんな思いは二度としたくない。


 させたくない――



        ▲▽ ▲▽ ▲▽ ▲▽



『ヒロ……私、あなたの役にたちたい。』


 ベルは声を絞り出した。


『私は、精霊たちとお話しができるの。もし、ダンジョンに精霊を連れて行くことができれば、精霊たちにお願いして力を貸してもらうことができると思うわ。』



 彼女の話によると、

 精霊箱には、火の精霊サラマンダーが、麻袋に詰めている石には、土の精霊ノームが、宿っていて、


さらに


 水筒の水には、水の精霊ウンディーネを宿らせる事ができるそうだ。


 自分の方が魔力の位が高かったり、仲がよければ、力を貸してもらえるのだそう。


 一番仲の良い風の精霊シルフを連れて行く方法がない為、今までは言い出せなかったそうだ。

 

『でも、これからは貴方の為に、私もがんばるから! 2人だけでもダンジョンに挑めるように、私頑張るから!』


 ベルの話からすると、おそらく、精霊に力を借りるにはリスクもあるのではないかと思う。

 俺としては、ベルさんに無理はさせたくない。

 

 でも、ここまで必死に協力を申し出てくれたのに、無下に断ることもないだろうと思ったんだ。



「ベルさん、ありがとう。僕ももう少しスキルを使いこなせるようになってみせるから、2人でダンジョンに挑んでもらえますか―?」


『―――。』


 ベルさんはまた泣きだしてしまった。

 でも、首を何度も縦に振って頷いてくれた。


「いっしょに、強くなろうね。そして優しい英雄になろうね――」


 

 これからは、2人で探索組だ―――


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拙い文章ですが、読んでいただいている皆さんに感謝です。楽しんでいただければ幸いです。
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