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いじめられっ子、世にはばかる 〜英雄に憧れて〜  作者: 十三夜
第2章 ふたりぼっちの冒険
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新人冒険者たち


「おはよう、ヒロ。今日はよろしくな。」


「あぁ、こちらこそよろしく。お互い冒険者としての第一歩だし、慎重に挑戦しようね。」


「私たちは村の周辺のゴブリン退治で腕を磨いていました。任せてください。」



 うっ!? 俺の黒歴史が恥ずかしい……。

 ゴブリン相手に亀のポーズでなんとか凌いでいたことを思い出した。

 でも、ゴブリン退治の経験があるなんて頼もしい。凄いな。明らかに、俺よりは戦闘経験がありそうだ。



「ぼ、僕も障壁には自信があるので、最前列は任せてね。」


――まぁ、相変わらず俺の攻撃力はポンコツなんだけど……。



「おぅ!頼りにしてるぜ。じゃあ、行こうか。」


「ベルさんもよろしくね。」


 おしゃべり妖精はおしゃべりする事もなく、胸ポケットから片手だけだして手を振っていた。なんだか、まだ、ご機嫌斜めらしい……どうしたのかな?



           ♢



 今日は初探索ということで、ダンジョン=リンカーアームの地下1階の探索で終える予定だ。


 隊列は、剣士のカヒコ、魔術士のアメワ、タンクの俺の順。タンクの俺が全体を見ながら歩く形になる。


 このダンジョン=リンカーアームは、ダンジョン全域で狼や猪などの動物系の魔物が多く出現する。


 地下1階には、大きなネズミの魔物がウロウロしているのだが、群れでいるわけではないので、3対1の数的有利を活かして戦う事ができた。



 アメワの魔法は温存。俺が石を投げて大ネズミを牽制し、障壁で突進を受け止める。そこにカヒコが剣で切り掛かり、上手く連携して倒せていた。


「大ネズミ相手なら楽勝だな!アメワの魔法を使うまでもないぜ。」


「私は楽だけど、ヒロさんは大丈夫? 毎回、大ネズミの突進を受け止めていて怪我はない?」


「僕は大丈夫ですよ。こ、この位の攻撃なら完封できます。ただ、攻撃をカヒコさんに任せっきりで、も、申し訳ないです。」


「役割分担できるからパーティーなんだよ。気にするなよ!」


「そうね。ヒロさんが魔物の突進を防いでくれてるからとれる戦法ですもんね。これは案外良いパーティになりそう。」



 いつも、あれだけ人に嫌がられてばかりだった俺が、こんなに信頼できそうな2人とパーティーが組めるなんて、正に夢のようだった。


 大ネズミを丁度12匹倒した所で、今日の探索は止めることになった。3人でちょうど4個ずつ魔石を分け合えるし、初めてだから無理をしないということで。


 帰り際、大ネズミをもう1匹倒し、無事にダンジョンから戻る事ができた。



「お疲れさん! 俺たち、いい連携だったよな。明日もよろしくな。」


 ギルドで魔石を換金し分け合う。2人は宿に戻ると言うので、今日はそのままギルド前広場で別れた。

 カヒコもアメワも、ニコニコと笑いながら手を振っていた。俺も初探索の成功に興奮し、満面の笑顔だったと思う。


 テントに帰り、この興奮をベルさんと分かち合いたかったのだけど、相変わらずご機嫌斜めで、すぐにどこかへ飛んで行ってしまった。



「なんだよ、せっかくの初探索の大成功だっていうのに――。それにしても、カヒコもアメワも、いい人達だったな。このままパーティー組んで探索できるなんて、ほんと嬉しすぎるっ!」



 俺は興奮が冷めないまま、無理矢理明日の冒険に備えて、目を閉じた――

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拙い文章ですが、読んでいただいている皆さんに感謝です。楽しんでいただければ幸いです。
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