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いじめられっ子、世にはばかる 〜英雄に憧れて〜  作者: 十三夜
第1章 ひとりぼっちの少年
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いじめられっ子、落とされる

三人組のセリフを少し変更しました。

             ♢



「なぁ、お前さ、あれだよな。 街で魔物って呼ばれてるガキだろ?」



 ダンジョンを進みながら、三人組のうちの1人が声をかけてきた。

 三人は、戦士風の男、レンジャー風の男、魔術師風の男のパーティーだった。


 ダンジョンに入ってからこんな話題を振ってくるなんて、どうしたって悪意を感じざるをえない。



(こりゃ、意地の悪いパーティーを引いちゃったかな……。なんとか、あたりさわりなく一日過ごさないと……)



 冒険者にも色々な人間がいる。


 日々の行いの積み重ねが三つ目の才能に影響すると言われている為、基本的には善行を積もうとする者が多いのだが、それでも、行儀の良い人間ばかりではない。


 故に、雇ってもらったはいいが、嫌がらせされるなんて事も少なくない。



 (今回はハズレかな……。)



「おいっ! 返事くらいしろってんだよ。 街で嫌われている魔物の子供だっていうのに、親切に雇ってやってるんだ! 愛想ぐらい良くしろよ!」


 にやにや、クスクス……


 彼等のヒソヒソ話や嫌味をなるべく耳に入れないようにしながら、次々と渡される素材や魔石をリュックに詰めていく。

 三人は冒険者としては、かなり実力はあるようだ。飛び出してくる魔物を難なく倒し続けている。



(――早く僕も冒険者になりたいな。)


 

  2階、3階とダンジョンを順調に降りていき、ダンジョンの裂け目と呼ばれる崖に差し掛かった。橋の架かっている場所以外は渡れない為、ここで一旦ダンジョンを引き返すことになった。


 僕もパーティーの一番後ろにつき直し、三人に着いていこうと歩き出そうとしたその時――



 ドンっ!



 何故かパーティーの戦士風の男に、突然腹を蹴り飛ばされた。

 僕は何が起きたのか良くわかならいでいた。すると今度は、前から顔を蹴りとばされる。

 そして、レンジャー風の男が、倒れた僕から僕のリュックを奪い取った。



「もう荷物持ちはここまででいいよ。」


「最後まで荷物運びをできないみたいだから、報酬の話は無しってことで良いな。 まぁ、ゆっくり1人で帰ってこいよ。」


「魔物の子供なんだろ。 このままダンジョンで仲間と仲良く暮らせよ。 嫌われ者の化け物が住むには丁度いいだろ? くくく……。」


 そう言って三人組は僕を置いて歩き出す。僕のリュックを持って。



 えっ!?なんで!?

 どういうこと!?

 僕のリュック返してよ!?

 僕が何をしたっていうの!?

 なんでこんな理不尽な事をされなきゃいけないの!?

 


 これじゃ、盗賊と変わりないじゃないか、そう口に出そうとヨロヨロと立ち上がった所に、戦士風の男が、持っている大きな盾ごとぶつかってきた。


 小柄な僕は、その衝撃に耐えきれず、簡単に吹き飛ばされる。



 その勢いのまま、僕は暗くて深い、ダンジョンの裂け目へと落ちていった――


 

 

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拙い文章ですが、読んでいただいている皆さんに感謝です。楽しんでいただければ幸いです。
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