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いじめられっ子、世にはばかる 〜英雄に憧れて〜  作者: 十三夜
第1章 ひとりぼっちの少年
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見習い冒険者、知る

 

 その夜、ケインさんのお言葉に甘えさせていただき、ケインさんの借りている部屋に泊めていただいた。長期のダンジョン探索の為に、パーティーメンバーはそれぞれ部屋を借りているのだそうだ。



「そうか、ナナシの第1の才能は、『アンチ』というのか。聞いたことない才能の名前だな。」



 俺は、この才能はおそらく、周りの物を拒絶する能力である事。その力で魔物の攻撃やダンジョンの裂け目から落とされた時の衝撃に耐えられたのだろうという事。また、その性質を変化させる事ができそうな事――、といったように、ケインさんに丁寧に説明していった。


 そこに加えて、前世の記憶を思い出した時から、もう一つこの才能により起きていた現象についてケインに相談した。

 他を拒絶するこの能力のせいで、周りの人や物を直に触れることが出来ていなかったのだ。



「――他を拒絶する能力の為に、人にも触れない? ほんとか?」


 ケインさんと手を合わせてみる。

 やはり、俺には接触している感覚がない。

 

「そうか、体温は感じるから、こちらからは触れてるように感じるが……、ナナシが感覚が無いというのなら、そういうことなんだろうな。常に能力は発動しているのか?」


 俺は頷いて肯定する。


「初めてダンジョンで出会った時、酷い頭痛がすると言っていたが、それが原因かもな。」


 ケインさんの話によると、才能による特別な能力を使う際には、体内にある魔力を使用するのだと言う。


 

 魔術の才能があれば、魔力を使って魔法を行使したり、効果を上げる――

 

 剣の才能があれば、魔力を使って剣の切れ味をあげたり、武技の行使を行う――


 身体能力上昇の才能があれば、魔力を使って素早さを上げたり、筋力を上げたりする――



 このように、様々な才能は、魔力が無くては発動することはできないのだ。


 俺のように、常時能力を発動させてしまっていると、魔力を常に使い続けている為、魔力切れを起こしてしまい、そのせいで頭痛や吐き気が起こり、ひどい時には意識を失ってしまう事もあるそうだ。

 

 

「ナナシが冒険者を目指すなら、その能力を使いこなせるようにならないとな。自分で能力の発動を止めることはできるか?」



 産まれてからずっと、この能力を実感しているはずのナナシが解らないのだ……。

 昔の俺の経験や知識を足したところで、正直、良い方法など全く想像できない……。

 


「まぁ、色々と考えてみようや。俺もいい方法がないか考えてみるから。」



 この日から、ケインさんに手伝ってもらい、『アンチ』の能力を使いこなす為に、試行錯誤していく事になった――



 

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拙い文章ですが、読んでいただいている皆さんに感謝です。楽しんでいただければ幸いです。
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