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いじめられっ子、世にはばかる 〜英雄に憧れて〜  作者: 十三夜
第1章 ひとりぼっちの少年
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いじめられっ子、神話を考える


 僕等が生きているこの国は、遥か昔、善なる神々と悪なる神による激しい戦いがあった場所であり、その時に善なる神々によって倒された、悪なる神の身体が封印されている土地だと伝えられている。


 善なる神々は、なんとか悪なる神に勝利はしたが、身体を消滅させることまではできなかった。 そこで、悪なる神の身体に厳重に封印を施すことにより、地上の生きとし生けるものに影響がでないようにした。


 しかし、封印されてもなお、悪なる神の力は衰えず、封印されたにも関わらず、悪なる神の身体から魔力が溢れ続け、その魔力から凶悪な魔物が発生し続けた。


 そこで、考えた善なる神々は、さらに封印を強める事によって、その影響を抑えようとした。

 この土地に五つのダンジョンを作り、その中に悪なる神の身体を分散して封じ込めることによって、地上に悪なる神の力が漏れ及ばないようにしたのだ。


 ダンジョン深くに封印された悪なる神の身体からは、その後も魔物が生まれ続けたが、ダンジョンに施された封印により、魔物たちはダンジョンから地上へ出ることは出来なかった。


 こうして、地上にはすでに溢れ出ていた魔物以外は魔物はいなくなり、人々はこの大地でなんとか暮らせるようになったのだと伝えられている――



            ♢



 神々の戦いから長い長い年月が過ぎ、今のこの世になっても、悪なる神を封じたと云われるダンジョンは存在し、未だにその中で魔物は発生し続けている。

 その為、戦闘に適した才能をもつ冒険者達は、ダンジョンに入り魔物を倒し続けているのだ。



            ♢



 ところで、ダンジョンの存在は、地上で暮らす人々にとって悪い事ばかりという訳ではない。


 実は、ダンジョンからは様々な物資を手に入れることができ、そして、魔物は倒されると、魔石という物を残して消滅する。

 その魔石は加工され、人々の生活に無くてはならない物となっているのだ。


 魔石には、たくさんの魔力が蓄積されており、様々なことに利用することができた。

 普段、使われる光や火を発生させる為のエネルギーとなって、生活にかかせないものになったことをはじめとして、魔道具と呼ばれる便利な機械を動かすエネルギーにもなっていたりする。

 また、加工した魔石を武器取り付けてその力を増幅させたり、一部の魔石なんかだと、魔術師の特殊な魔法の超限に利用されることもあるという。


 こうして様々な事に利用され、人々の生活に無くてはならない存在の魔石であるが、元はダンジョンに封じられている、悪なる神の魔力である。


 悪なる神の身体から溢れ出した魔力が結晶となり、それが魔石になる。そして、その魔石から魔物が生まれ、その魔物を狩って、人々は魔石を手に入れるのだ。


 

( 世界を滅ぼそうとした悪なる神の残した力が、逆にこの世の役に立っているなんて、どうにも皮肉なものだよね。)



 故に、ダンジョンに挑み、魔物を倒して魔石を集めてくれる冒険者達は、この世の中の生活を支える為に、とても大切な存在となっているのだ――


 

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拙い文章ですが、読んでいただいている皆さんに感謝です。楽しんでいただければ幸いです。
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