剣士、悩む
矛盾点を直しましたm(__)m
――俺はパーティーメンバーの発言に、言葉がでなくなった。
B級パーティー【アイリス】は、英雄に憧れている冒険者で集まったパーティーだ。
それぞれBランク冒険者で、重戦士でタンク役のパーン、レンジャーで弓使いのユウ、様々な魔法を使う学者で魔術師のライト、聖職者でヒーラーのソーン、そして剣士でアタッカーの俺、ケインの五人で冒険を続けてきた。
『英雄を目指す』なんて子供みたいな俺の目標を笑いもせず、危険なダンジョンにも一緒に挑み続けてくれていた。
ダンジョンの奥を目指す【アイリス】のようなパーティーは、冒険者ギルドの中では探索組と呼ばれて、一目おかれる存在である。危険なダンジョンの最奥に挑み、悪なる神の封印をめざす、英雄と呼ばれるべきパーティーだ。
5人は、バランスの良いメンバー構成だった事もあり、何度かの失敗はあったものの、離脱者も出さず、順調に功績を積み上げてきた。
【アイリス】というパーティー名は、みんなの希望になりたい俺の願いを聴いて、博識なライトが考えてくれた名前だ。
一緒に冒険を続け、仲間同士、硬い絆で歩み続けててきた仲間達を、俺は誇りに思う事はあっても、悪いイメージを抱いたり、疑問に思う事はなかった。
――今までは……
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ナナシと別れた後、俺は悶々とした気持ちを抱えたまま、冒険者ギルドで今回のダンジョン探索で得た魔石や素材を換金してもらい、報酬を仲間で等分して分けあった。
長期間のダンジョン探索を終えた為、リフレッシュも兼ねて、一週間の休養期間にして、メンバーそれぞれで自由行動という事にした。
長い期間、この街で活動しているメンバーたちは、それぞれに自由時間を楽しむ。
「ケイン、とりあえずご飯でも食べにいかない?」
「そうだな。酒場にでも行って、旨い酒でも飲もうや。」
ユウとライトが俺に声をかける。ソーンとパーンもそのつもりのようだ。
「わりぃ、ちょっと行きたい所があるから、みんなで先に行っててくれ。店はいつもの【英雄の家】だよな?あとから行くから。」
みんなの誘いを後回しにした俺に対し、不思議な顔で見送るメンバー達だったが、それほど深く考えることはなかったのか、先に店へと向かっていった。
みんなに右手を挙げて送り出した後、俺は一度真剣な顔になった。
――考えてもしょうがないか
なんともやりきれない、こんな思いを抱えたままでは俺のこのモヤモヤは収まらないだろう。
ダンジョンで別れてから、どうしても気になってしょうがない、あの白い髪の少年が暮らすという街の孤児院に向かって俺は歩き出した――