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いじめられっ子、世にはばかる 〜英雄に憧れて〜  作者: 十三夜
第1章 ひとりぼっちの少年
24/455

ぼっち少年、身の振り方を考える



            ♢



 あ〜ぁ、ベルさん……せっかく友達になれるかと思ったのに……。



 あっという間に飛び去ってしまった妖精を、慌てて追いかけたけど、結局追いつくことばできなかった。

 いったいどこに飛んで行ったのか、まったく、見当もつかなかった。



 『――じゃあ、またね。』



 おしゃべりな妖精の別れ際の最後の言葉。

 

( また会えるかな? )


 森の入り口まで戻り草むらにどかっと座る。

 去り際の挨拶を信じて、期待して待ってみよう。


 そして、今度こそ声をかけるんだ――



――僕と友達になって。



         ▼△▼△▼△▼


 

 さて、草むらに寝転んで、改めてこれからの自分の事について考えることにした。


 現状、僕は身一つの状態。

 ボロボロの服にボロボロのブーツ。

 お金は全く持ってない。


 頼りになるべき、僕の才能の『アンチ』は、まだまだ、よくわからないところだらけだ。



 一応、崖から落ちても、魔物に襲われても、衝撃による打撲だけですむくらいには強力な能力だ。

 跳ね返すように念じたら、魔物の攻撃を跳ね返すこともできたし、とにかく固くなるように念じたら、分厚い壁のようなら役割もできた。


 つまり、この『アンチ』という才能の能力は、形? 性質? について、変えることができるようだ。


 この才能があれば、危険なダンジョンに潜っても、自分の身を守りながら、素材集めをしたり、魔物を倒して魔石を集めたりできるんじゃないだろうか? 


 そうすると、問題は、13歳にならないと、冒険者ギルドでの冒険者登録ができないという事。

 冒険者にならないと、荷物持ちのポーター以外ではダンジョンには入れない。

 また、この間の三人組のような冒険者に当たってしまったら最悪だ。


 どうにか年齢を13歳と誤魔化して冒険者登録できないだろうか……。



 前世の記憶で考えると、俺は35歳のおっさんだったわけだから、こちらで過ごした年月を合わせたら40歳を優に超えている。立派な大人なわけだし。

 というか、そろそろアラフィフじゃないか……。


 実際、街の人の中に、嫌われ者である俺の年齢を知ってる人なんかいないだろう。


 考えてて悲しくなるが、そのくらいに俺の存在は街で嫌がられていた。俺と何らかの関係を持とうとする者は全くいなかったのだから。

 孤児院でも、仲間とは生活に必要な会話以外は皆無だったし、世話人の大人達も俺の存在を良くは思っていなかったようだし……、俺と気軽に話すような大人はいなかったもの。

 

 元々、みんなからは嫌われているだけで、誰からもよく知られてない存在だ。


 ……よし、当たって砕けろだ!やってみなくちゃわからない!

 このままじゃ、ベリーしか食べられず、ただでさえガリガリの身体が、痩せすぎてお腹と背中がくっついちゃう!


 

 俺は13歳と年齢を誤魔化して、日々の生活の為、かつてからの憧れの職業。


 冒険者になろうと決めたんだ――




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拙い文章ですが、読んでいただいている皆さんに感謝です。楽しんでいただければ幸いです。
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