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若筍冒険者、驚く


「――今回のゴブリン討伐での出来事はこんなとこです。」


 俺は、ゴブリンが大量発生していたこと。少女が二名攫われる被害が出ていたこと。その少女が昏睡状態であること。そして、ゴブリンが奇妙な仮面を作り、祭壇を作っていたことを順番に話していった。


 悪なる使徒とその眷属、俺の親達の事は話さない。それを話してしまえば、無下に馬鹿にされるか、混乱を招くかのどちらかになるだろう事が容易に想像できたからだ。


 ただ、ヒルコという謎の存在に関しては報告した。俺自身、情報が欲しかったからだ。

 氷狼に聞けば教えて貰えるかもしれない。でも、一方向からの情報だけで判断したくなかった。



「サムギルド長は、ヒルコという名前をご存知でしょうか? ゴブリンが被っていた仮面に関わりがあるようなんですが……。」


「ほぉ……。ヒルコ、それはこの国の首都にあるダンジョン=ヘルツプロイベーレの守護者、使徒カオススライムの名前だね。」


 なんと!? ヒルコとは悪なる神の使徒の1人だった!?


 ということは、悪なる神使徒同士で嫌がらせしあっているってこと? 仲間じゃないのか?

 でも、フェンリルさんとヴァンパイアロードとは、別に敵対してないようだし……。


 ますますわからなくなった……。



「ゴブリンの被っていた仮面は、狐の顔をしていなかったかい?」


 えっ、なんでそれを知ってるの?


「やはりそうか。狐の仮面……、それは悪なる神ウカの顔を模していると言われている。使徒カオススライムは、悪なる神ウカの変わり果てた今世の姿であり、元々の姿は多尾の狐の女神だったと云われているんだ。」


 悪なる神と、その使徒が同一の存在? その上、フェンリルさん達と仲が悪いの?


 もう全然わからない………。



「ヒルコの仮面が世に出回ると、悪なる神の使徒が活発になるとも云われている。ダンジョン探索者にも注意を促さなくては……。」


 もう活発になってますとは、ちょっと言えない……。


「とりあえず、君も充分に注意して活動してほしい。悪なる神に目をつけられるかもしれないからね。」


 どちらかと言うと、善なる神々に目をつけられそうなんですが……。ていうか、悪なる神の使徒さんには、すでにお世話になっています……。口には出せないけど。



「わかりました。では、僕らはしばらくレッチェタウンに行ってきます。色々と調べたい事があるので。良かったら、あちらの支部の方を紹介していただけませんか?」


「レッチェに行くの? それなら、私の同期の職員で、ブラースって子がいるわ。手紙を書いてあげるわね。」


 俺はフィリアさんの紹介状を大事にリュックにしまい、冒険者ギルドを後にした。



           ♢


 

 どれ、一度部屋に寄って、ダンジョンに行って、それでもってレッチェタウンに行こう。あ、途中で新月村のナギちゃんの様子もみていかなくちゃ。



 一気に大量の情報が入ってきてしまい、かなり混乱気味だから、頭の中を整理する為にも、レッチェタウンまでの道のりは良い時間になりそうだ。

 それにしても、事実は小説より寄なり、なんて言葉があるけど、伝説なんてものは話半分で聞いておくくらいがちょうど良いのかも。

 どういう伝わり方をしているのか、長い年月の間に色々と要因が絡みあってしまい、事実がそのまま伝わることなどないのだろう。丸々信じちゃいけなさそうだ。



 そんな事を考えながら、ケインさんに借りている部屋へと変えると、なんと、俺の少ない荷物が外に放り出されているではないか!?



 え!? どういう事!?

 


みなさん、評価やコメントなど、ぜひぜひよろしくお願いします!

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拙い文章ですが、読んでいただいている皆さんに感謝です。楽しんでいただければ幸いです。
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