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いじめられっ子、世にはばかる 〜英雄に憧れて〜  作者: 十三夜
第1章 ひとりぼっちの少年
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いじめられっ子、工夫する


 なんとかして、絶対にダンジョンから脱出してみせる――


 前世の記憶を思い出したことにより、俺の精神年齢は35歳の大人になったと言える。

 気持ちの悪いことに、見た目は子供、中の人は大人ってヤツだ。


 前世の時の知識も、段々と思い出してきた。


――のではあるのだが、身体は見た目通りのの子供。魔物が闊歩するこのダンジョンはあまりに危険。そう、戦う力のない子供の身体には、とんでもなく危険なのだ。

 まぁ、身体が大人だったときの俺に戻ったとしても、少しお腹のお肉が気になりだした中年のおっさんだ。とてもこの世界の魔物と戦えやしないだろうけど。

 


( でも、待てよ……魔物達の物理的な攻撃は『アンチ』の能力のおかげで耐える事ができるのだから、ダンジョンの道中、魔物相手はなんとかなるのか? )


 でも、さっき魔物に噛みつかれた時みたいに、魔物の力でやりたい放題されて、自分自身の力では身動き取れない状況になったら不味い訳だし、水も食料も無いダンジョンに長く居られるわけもない……。



 なんとか『アンチ』の才能を活かして魔物を退けられないだろうか。

 

 俺の今使える唯一の武器……。



 ――考えろ…、


 ――考えろ……、


 ――考えろ………、


 ――今の俺には何ができる?




 『――アンチ=反対、拒絶』という定義であるのならば、魔物からの攻撃を拒絶して打ち返す事ができないだろうか?

 今までは、何も意識しないまま、魔物の攻撃を受けていて、ただただ防ぐことしかできていなかった。

 でも、自分の才能の意味を認識したことで、自分の周りにある、バリアのようなものが見えたんだから、そのバリアを意識してしっかり使ってみたらどうだろうか。



 考えろ!



 ナナシが自分守る為の才能を授かり、元大人だった俺がここに存在することになった意味を!


 ふと、思いついた事を試してみる。

 例えば、バリアによって、「攻撃を跳ね返す」ように、バリアそのものを変化させることはできないだろうか。


 事象に反発してみせろ――


とバリアに対して強く念じてみる。そして、その意識を強く持った状態で、ダンジョンの壁に向かって、自らタックルしてみた。


 すると身体が壁に触れる前に、見事に壁に跳ね返されたのだ!いや、跳ね返されたのではなく、跳ね返した、と言い換えられるのではないか?

 

 バリアが壁を拒絶し、反発の力を持って、身体から跳ね返させた。


 この能力をうまく使えば、きっと魔物の攻撃を跳ね返し、この未曾有の危機も乗り越えられるに違いないっ!



 今までだって、石を投げつけらても、崖から落とされても、ナナシはこの才能によって守られてきたんだ。これからだって、この才能は、ナナシを守ってくれるに違いない。


 前世での経験が悲しく、悔しいものだったとしても、今のナナシを悲しみや苦しみから守る為にこの才能は授けられたに違いないのだ。


「そうさ、この才能は、俺を……、ナナシを守る為の才能だもの。」


 


 絶対に生きてダンジョンから帰ってみせる――




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拙い文章ですが、読んでいただいている皆さんに感謝です。楽しんでいただければ幸いです。
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