表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/456

離れるわけない


            ♢



『全く! ヒロのお人好し! おバカ! あなたが貧乏くじを引くことなんてないのに!』


 おしゃべり妖精は、新月村から三日月村への移動中、ずっとこの調子で俺を怒り続けていた。


 もう面倒見切れないとか、もう知らないとか、何度も俺を突き放すような事を言うが、俺の頭の上から離れようとはしない。

 この優しい妖精は、一生懸命に俺の事を考えてくれているのだろう。


「ごめんよ、ベルさん。でも、ナギちゃんもナミちゃんも、助けられるかもしれないのに、何もしないで見捨てるなんて事、僕にはできないよ。」



 そして、この旅に同行してくれた2人に言う。


「三日月村でナミちゃんの様子を確認して、その後、リンカータウンの冒険者ギルドに討伐成功の報告をしたら、あとは僕一人でレッチェタウンに向かうよ。ベルさんとアメワは三日月村で待っていてほしいんだ。」


 悪なる神に関われば、どんな事が起きるかわからない。危ない橋は、大好きな仲間達には渡らせられない。



『はぁ!? 何言ってるのよ! 私があなたから離れるわけないでしょ!? ついていくに決まってるじゃない!』


「でも、今回はどんな危険があるかわからないんだよ。大事な人を危険に晒すことはできないよ。」


『だめよ! 一緒に行く。 置いて行ったら承知しないから!』


 これは、大人しく待っていてはくれないか。

 

「ヒロ君。私もついていくわよ。一人でできることなんて限られてるの。私は魔術師としては未熟だけど、私にだってできることはあるはずよ。だから、1人で行くなんて言わないで。」


 アメワの決意も固いみたい。祟りがあるかもしれないのに……



――でも、ありがとう。二人とも……



        ▲▽ ▲▽ ▲▽ ▲▽



「ダンジョン=レッチェアームの守護者がヴァンパイアロードだと言われているんだ。」


 新月村の村長の話によると、

 

 リンカーアームには、フェンリル

 レッチェアームには、ヴァンパイアロード

 インビジブルシーラには、ハイエルフ

 ファーマスフーサには、エンシェントドラゴン

 ヘルツプロイベーレには、カオススライム


 それぞれ、この国にあるダンジョンには悪なる神の使徒がいて、悪なる神の身体を守り続けていると云われている。


 その中のひとつ、ダンジョン=レッチェアームの守護者がヴァンパイアロードだと云う。

 あくまでも伝説であり、実際に出会った事がある人がいるかどうかもわからない。

 とても手がかりは少ないが、先ずはレッチェタウンに行って調べてみるべきだろう。


 のんびりしてらたら、ナギちゃんも、ナミちゃんも謎の仮面の少女となってしまうかもしれない。



 俺が遠ざけようとしても、そうさせてくれない二人の仲間と、まだまだ一方通行でのやりとりしか出来ていない三人の精霊たち。そして、俺の中にいるもう1人の俺。


 俺に力を与えてくれる仲間とともに、凄い冒険が始まりそうだ――

       


みなさん、評価やコメントなど、ぜひぜひよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拙い文章ですが、読んでいただいている皆さんに感謝です。楽しんでいただければ幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ