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翌日のメイド

「……も、もう、…むり……」

「ごめんね。まさかこれをここまで食べるなんて……」


さっきまで賑わっていた大部屋。

私は一所懸命に出された料理を食べていた為にいつの間にか私一人だけ取り残されていたことに気づかなかった。


そしてカルドさん達も忙しくて私がどれだけ頑張って食べていたか分からなかったようで、1人になった私に気づいた時にはもうほとんどの料理を食べていた後だった。


もう少し…早く気づいてほしかった……


「シズクちゃんスゲェな……ほとんど食べてんじゃねえか……」

「……まず、…謝れ……」


「わ、わりぃ!!!!!

いや普通は残すだろう!!それを後で俺達の晩飯にしようと思って……」

「……言わなきゃ……分からない……よ……」


「全面的に悪かった!!!」

「本当にごめんよ」

「すみませんでした」


そんな、3人揃って頭を下げられると私が悪者に見えてしまうじゃない。……でも、本当に反省してほしい。


「ついつい、いつものクセで……喜んで貰いたいから沢山料理を出すんだ。で、余った料理は勿体ないから俺達で食べてたんだけどよ……」


「……加減を、覚え………うっ……」

「もう喋らなくていいから!!お袋ッ!!」

「部屋まで連れて行くよ」


でも、確かに私もやけになって食べなきゃ良かったと思った。親切というのは時に怖いものだなーと噛みしめた雫だった。


おかみさんに部屋まで運んでもらった雫は着替えることもせずにそのまま就寝。

翌朝、まだ日も上がらない時間帯に起きて


「………サイアク……このまま寝るなんて……メイド長が知ったら一週間トイレ掃除の刑だわ……」


頭を抱えて自分の行いを悔いる。

この宿屋には風呂付きだったが流石に朝はやっていない。仕方ないなと桶に水を張り服を脱いでタオルで拭くことにした。


(早く仕事を、いやお店をするための建物を見つけないと……その前にいくらいるんだろう……)


退職金として一年は余裕で暮らせるお金を貰っている。それでも店を開く資金に当てれば簡単に消えるだろう。

そして開業したとしてもしばらくは収入はないと考えたほうがいい。


それを考えるとしばらくはアルバイト。こちらではギルドから仕事を斡旋してもらうしかない。


しかしメイドとしての仕事はほぼ無理。

それにこれ以外の服を今更着る気にもなれないので「メイド」一択ということになる。


「……これは、本格的にマズイかも……」


改めて自分の見積もりが甘すぎたと自覚しながら上半身を拭き終わり、下半身へと手を伸ばした時、ドアからノック音が聞こえビクッと反応する雫


「シズクちゃん。起きてるかい??」

「スイさん??…、はい、起きてます……」


おかみさんであるスイさん。

一体どうしたんだろうと思ったがいま自分の格好を思い出して急いで


「ちょっ、ちょっとまってください!!

いま身体拭いていた所でッ!!!」

「やっぱりかい。ならお風呂沸かしてるから一緒に入らないかい??」


「お風呂ですか??」

「私は毎日朝に入らないと気持ち悪くてね。シズクちゃん、もしかしたら昨日は入らずに寝てしまっていたと思ったから誘いにきたんだけど合っていたみたいだね」


それはありがたい。

正直お風呂に入るか入らないかは1日のパフォーマンスに大きく影響する。

ベトベトした身体をサッパリさせたい。


「是非ッ!!!」

「決まりだね。男どもが起きる前に入ってしまおう」


服を着替え直しスイさんに連れられてお風呂場へ。そこは元いた世界の家族風呂みたいなちょっとした大きさのお風呂だった。


「小さくて悪いね」

「そんなことないですよ。とても素敵です!」


「嬉しいこと言ってくれるねー

よし、背中を洗ってあげるよッ!!!!」


遠慮しようかと思ったがグイグイくるスイさんにそのまま押し切られた。

そのあと、無理矢理に服を脱がされて強制的に洗われることになったけど、それを詳しく言うつもりはない。


そして二人共サッパリしたあと大部屋に向かい朝食を取り、出されたコーヒーを飲んでいる時だった。


「今日はギルドに行くんだろう。そこまで案内するよ」

「えっ。でもお仕事が……」


「アイツには昨日の内に連絡をいれていたから大丈夫」

「そうですか。では、お願いします」


正直何処にギルドがあるか分からないから案内は非常に助かる。それに少し心強い。


「じゃ行くか」

「はい。あっ、スイさん。昨日の猫の置物、直して置いたので!!」


「直したって……シズクちゃん!」


他の作業をしていた為にワンテンポ遅れてしまい、気付いた時には大部屋から出てギルドに向かってしまっていた。


「あれ、直せるってもんじゃなかったんだけどね………」


粉々ほどはいかなくとも原型が分からないほどには割れてしまっていたはず。

なのにそれを直した。と言った雫に疑問を持っていると宿泊部屋を掃除に行っていたフォールドが


「なぁ、これを見てくれ」

「どうしたんだいアンタ……って、これ……」


フォールドが持ってきたのはさっき雫が言っていた猫の置物。割れて修復不可能だと思っていたそれが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「……あの子って……何者なんだい……」

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