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警視庁特別犯罪室特務ゼロ  作者: 日常癒桜
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学校と仕事

 ホームルームが終わり、クラスメイトと少し雑談して、五時過ぎには学校を出た。

 暑いこの季節。五時を過ぎてもまだ日も明るく学校は部活をしていたり、ただ友達と駄弁っている生徒、仕事を行なっている教師、部活のコーチ等が大勢残っていた。

 まぁ私は帰宅部なので基本的にはすぐに帰っているのだが。

 夜中は仕事で呼び出される事もあるため、今のうちにしっかりと休んで鋭気を養わないと。ついでに言うと宿題もあるしね。

 私の家は学校から歩いて20分程度の所にあるのだが、今日は欲しかった小説の続きが発売された為、帰りに本屋さんへ寄って帰る事にした。

 鋭気を養う為にも読書の時間は必要なのだ。

 元々本を読む事は好きで、基本的にはジャンルは問わないが、今ハマっているのはミステリー小説である。

 同年代の女子がメイクやらファッションやらに雑誌を読んでいる中、私はミステリー小説をひたすら読んでいた。

 現役の女子高生が恋愛のドラマや彼氏とデートでは無く、ミステリー小説を読みながら殺人事件の犯人は誰だろうと考えるのが最近の日課となっている。

 それに私には仕事があるので恋愛何かをしている余裕が無いのだ。

 仕事が恋人、、、まだ高校生なのに何て悲しい現実なんだ。

 本屋さんに行くと必ず欲しかった本とは別に新しく出たばかりで面白いかどうかも分からない本を何となく買う事にしている。

 今日は欲しかったミステリー小説の他に最近出たファンタジーもののライトノベルを買ってみた。

 個人的にはミステリー小説を読みながら誰が犯人なのだろうかと推理しながらドキドキしているのが好きなのだ。

 ただそればかり読んでいると飽きてしまう為、時々はファンタジーもの等を読んだりしている。その他にも恋愛ものや人間文学のようなジャンルも読みたくもなる。つまりは全て私の気分次第という事だ。

 本を買って家へとついた頃には日が沈み掛けていた。

 改めて見ても私の家って普通の一軒家と比べても一際でかい。

 家というかちょっとした旅館にすら見える。

 家の周りを立派な外壁にぐるっと囲われている。その中心に立派な門が佇んでいる。

 門は見た目程重たくは無く意外と簡単な力で開ける事が出来る。門を開けると広々とした庭と自宅が目の前に広がっていた。

 庭は日本庭園の様な作りになっており、一定の長さで綺麗に整えられた緑色の芝、そして均等に散りばめられた砂利。綺麗に剪定された大小大きさの異なる木々が連なっており、こう言ったところには定番の石で出来た池普通の一軒家には決して無いであろう鯉が泳ぐ池もある。

 そんな見慣れた庭を通り過ぎて玄関へと向かう。

 家の玄関を開けると使用人の鈴木延子さんがいた。

 延子さんはいつも作務衣と呼ばれる着物の作業着版のようなもの来ている。本人曰く動きやすくて日本美人に見えるからという理由で気に入っているとのこと。

 顔立ちも整っており、昭和にブレイクした某女優のようだ。綺麗な黒髪は頭の後ろでまとめている姿が似合っている。

 とてもじゃ無いが40代には見えない。

「あらお嬢様。お帰りなさい」

「ただいま延子さん」

「夕食はテーブルに置いてますので、冷める前にお召し上がり下さい」

「やったぁ。ちょうどお腹空いてたんだ」

「私はこれで帰りますので、失礼致します」

「お疲れ様でした」

 延子さんに一瞥すると私は食卓へと向かう。

 私の家は基本的に使用人の延子さん一人で御飯の準備や掃除等の家事や庭の手入れ等を行なっている。

 延子さんは何でも出来る上に正確で早い。その仕事振りに惚れた両親が声を掛けたのがきっかけでうちで働いてくれる事になったらしい。本当に凄腕使用人だ。

 両親は仕事で外に出ている事が多く、滅多に家には帰って来ない。

 延子さんは結婚して旦那さんと娘さんがいるらしく家の事もしなければならない為、夕方には帰ってしまう。その為ほとんど一人暮らしのような状態だ。

 リビングに行くとテーブルにラップがかけてある食事が並んでいる。

 炊き立てほかほかの白ご飯と味噌汁、鶏胸肉の照り焼き、玉ねぎとかいわれのサラダが並んでいる。そして冷蔵庫にはヨーグルトが入っている。

 食べ盛りの高校生には完璧な食事メニューだと思われる。

 私は食事を済ませ、後片付けを済ますとリビングの大きいソファーに腰を掛けて先程購入した小説の入った袋を手に取った。

 中から二冊の小説に手を取り、どちらを読もうかと考えているとスマホにメールの受信音がなった。

 うわぁ〜、室長からだ。

「糸音ちゃん。今日は事務所に来るように約束してたはずだぞ!忘れてるな!車を既に向かわせているので早く来てね!待ってるぞ(≧∀≦)」

 あ、そういえば室長と約束してたのをすっかり忘れていた。

 いつも思うのだが、このテヘっみたいなちょっと古い顔文字が少しイラッとしてしまう。

 いまだに顔文字を頻回に使う人間は私の周りには室長くらいなものだ。

 本当にサボろうかな。

 そんな事を考えていると。

「ピーンポーン」

 迎えの車が到着した。

「もう来たの!?早すぎる。もう少しゆっくり来たら良いのに。いや、約束を忘れていて既に遅刻している私が言うのもなんだけど」

 深いため息を吐きながら急いでスーツに着替えて、刀を黒い刀袋に入れると車に乗り込んだ。

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