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警視庁特別犯罪室特務ゼロ  作者: 日常癒桜
3/6

3.月夜の闇に悪霊を追う


 糸音はインカム越しに航と室長へ状況報告をした。

「ナイス糸音。すぐそっちへ行く」

 一階を探し回っていた航がこちらへと向かう。

「ナイスよ糸音ちゃん。そのまま二人を保護しつつ、悪霊を滅してちょうだい」

「了解。君、私の後ろに下がって。死ぬよ」

 優子と梨花は自分達が置かれている状況を理解する事は出来ないが、刀を持ったスーツ姿の女性が自分達の味方だって事だけは分かる。

 優希は梨花のもとへ急いで駆け寄った。

 二人と悪霊の間にいる糸音は刀を構えると悪霊の方を向き直った。

 再び静寂が訪れる。緊張と呼べる空気感が周囲を包み込み、それを感じ取っていた優希と梨花はただ黙って糸音を見つめていた。

 それは糸音がやられれば間違い無く自分達の命が無いからだ。

 自分達の命運を糸音預けざるおえない。

 この緊張感を最初に断ち切ったのは悪霊の方だ。

 四本の腕を伸ばして糸音を攻撃してきた。

「え、ちょっ!腕が伸びるとか聞いてないんだけど!」

 思わぬ攻撃方法で後ろに体勢が崩れるも、何とか攻撃を横に避ける事が出来た。次々と飛んでくる腕を避けつつ、後ろの二人に攻撃が当たらないように刀で受け流していた。

 教室の窓ガラスや壁、机が壊れていく。くそ、次々と教室を破壊しやがって。後で怒られるのは私なんだからね!

 もう少しコンパクトに戦わないとね。狭い教室でこれだけリーチの長い攻撃をしていては、隙の一つも出来てしまう。

 糸音はその隙を見逃しはしない。

 悪霊の懐まで滑り込み刀で切り上げた。悪霊の腕を2本切り落とす事が出来たが致命傷にはならず、部が悪いと思ったのか天井へ張り付くと廊下から出て行き、そのまま逃げていった。

「ごめん航。逃げられた」

 一息つくと刀を鞘へと戻し、教室の端で震えながら座っている二人の女子高生のもとへと駆け寄った。

 「あいつは私が倒すから安心して。でももうこんな事はしたらダメだからね。暫くはここで大人しくしてる事。あと10分たったら帰って良いから」

 二人は震えながらも首を縦に振っていた。

 これだけ怖い思いをしたんだから、動いたりはしなさそうね。

 糸音はそのまま逃げていった悪霊追って教室を飛び出していった。

 さてと悪霊はどこにいったんだ?

 周囲の霊気を探ってみる。

 いた。戦闘後というのもあり、霊気がダダ漏れだね。

 さてとこの悪霊をどうやって追い詰めていこうか。

 そんな事を考えていると、インカムから航の声が聞こえて来る。

「糸音。敵は一階の方に行った。俺は今北側の階段を降りてる。糸音は南側の階段から降りて敵を挟み撃ちにする」

「了解」

 廊下を急いで走り階段を一気に降りていった。

 一階まで降りて廊下側を見ると、そこには悪霊がいた。

 悪霊は切ったはずの腕が再生しており、壁に張り付いて移動していた。

「いた!ちょこまかちょこまかと!航!こいつの動きを止めて!」

「分かった!」

 そう言うと航は懐から札を取り出し詠唱を唱える。

「雷鳴と共に悪を止める光となれ。痺雷札!!」

 雷鳴がなり辺りに電気の柱のようなものが走り出し、黄色く光る札を敵へと投げ飛ばす。

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 札が敵の胴体に張り付くと叫び声と共に敵の身体に電気が纏い動きを止める。

「動きを止めたぞ!糸音!」

「さっすが航!」

 糸音は敵のもとへ飛びかかると懐に収めた刀を抜いた。

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 敵の身体は真っ二つに分かれ、黒い霧のようになって消えていった。

「これで終わりだね」

「何か呆気なかったな」

 刀を鞘へと戻し安堵した瞬間。

 インカムを通してから室長より連絡がきた。

「二人ともまだよ!近くに大きな霊力を探知した!気を抜かないで!」

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