09 お知らせ
朝食は、いつも通り。
つまり、和やかで美味しい、素敵朝ごはん。
妻たち四人とも、なぜかいつもよりおしとやかなおすましモード。
理由は分からないけど、家庭内の良い雰囲気度アップで、
部屋の空気まで美味しい、気がする。
メリルさんは、いつもと変わらず。
厳格なのに物腰柔らかなエレガントメイドモード。
昨日の俺の散々な姿、後でこっそり、お説教お願いします。
ニエルは、なんか変だな。
いつもより口数が少なくて、いつも以上ににこにこしている。
いや違う、あの表情は、によによ、だ。
だがその『私、分かってるんですよぅ』的態度は、
ご主人的にはアレなので、後でなにかお返しせねば。
お仕置き、とも言いますね。
そして食後のまったりタイム。
いつもなら、今日の予定確認的な話し合いの時間なのだけど、
なぜか奥さま全員、おすましモード継続中。
妙に静かなので、まずは俺からひと言。
「そういえば、昨日のモノカさんたちの要件って、なんだったのかな」
聞いて納得、おふたりそろっての訪問の理由、とても良く分かりましたとも。
各チーム間のメンバートレード推進のお知らせ。
チームモノカとチームカミス、
チームの垣根を取っ払って、より自由な編成で冒険を、だそうです。
流石はお若いおふたり、分かりやすくて微笑ましいですね。
なんてことは無い、モノカさんとカミス君のらぶらぶ度がアップしたのでもっといっしょにいたい、だよね。
あのふたりの焦らしっくワールドに進展があって、おじさん嬉しいよ。
「チームアランもメンバートレードの検討よろしく、だそうだ」
任せろ、リリシア。
あのふたりを進展させるためなら、おじさん結構頑張っちゃうよ。
「アラン、なんだか嬉しそう」
もちろんだよ、マユリ。
あんなにお似合いのふたりに、もっと異世界暮らしを楽しんでもらうのが、大人の務めだろ。
「マクラさんやハルシャさんとの冒険、楽しみですわ」
ユイも、わくわく顔。
でも流石にその三人だけだと平均年齢的に心配なので、俺が保護者ポジションで頑張るよ。
「ネルコやクロ先生たちも、ってことかしら」
そうだな、ハルミスタ。
ネルコさんはすごく冒険の旅に憧れていたから、いっぱいいろんなところを引っ張り回してあげような。
「皆さん、大事な事づてをお忘れですよ」
なんでしょう、メリルさん。