15 待機中
ぐいぐい引っ張られて、居間のテーブルのそばに着席させられた、俺。
目をつぶって、そのままの姿勢を維持せよとの、リリシア先生のご命令通りに、固まっております。
すぐに女性陣一同、退室、の気配。
なんだろう。
お説教とかお仕置きではなさげな雰囲気。
まあ、信じるしかないよな。
っていうか、あのスピーカーおばさん、
レバンナさんだっけ、
なんだかいろんな問題の元凶になってるような。
でも、まあ、こういう町だし。
小さくて住んでる人たちの距離が近いってのは、
メリットにもデメリットにもなるんだよな。
俺は、まあ、この町、結構気に入ってるんだけどさ。
レバンナさんだって、根っから悪い人ってわけじゃないし。
この町の外に出たことない人たちの考えも、
外から来た俺たちみたいな人の考えも、
どっちがどうって決めつけられないよな。
逆もまた真なり、で合ってたっけ。
っていうか、みんながもうちょっと俺の事を信じてくれていれば、さっきの騒動も無かったんだけどな。
いや、逆だろ。
俺がみんなを信じて秘密を打ち明けていれば、それこそあんな騒動なんて起こらなかったんだよな。
やっぱ駄目駄目だよ、俺。
いい加減、愛想尽かされても、しょうがないよな。
まあ、多分、泣いてすがりついちゃうんだろうけど、さ。
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「目を開けていいぞ、アラン」




