表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/17

11 マリエレン


 ギルドにて、速達鳥での配達を依頼。


 いいなあ、鳥さんは、自由で。


 いや、速達鳥もお仕事しているのは重々承知ですよ。


 でもほら、なんかそんな気分の日も、あるよね。



 ギルドの掲示板には、特に目ぼしい依頼は無し。


 買い物のお使いとかも頼まれてなかったので、


 やる事も無く、とぼとぼと幌馬車に搭乗。


 まだ10時前、


 お昼、何にしようかな。


 それに、約束の三時までの時間つぶし、どうしよう。



「こんにちは、アランさん」


 こんにちは、マリエレンさん。


 今日もお綺麗ですね。



 彼女は雑貨屋のマリエレンさん。


 夫を戦争で亡くされた未亡人。


 旦那さんは、国境の街ジオーネへの仕入れの旅路で戦火に巻き込まれたんだよな。


 和平がもっと早かったら……



「今日はおひとりですか」


 はい、おひとりさまなのです。


 寂しいひとり旅の傷心者を慰めてください。



「まあ、奥さまたちに叱られますよ」


 つまり、今、マリエレンさんから慰めてもらえると、妻たちからのお仕置きがもれなく付いてくるというお得なボーナスイベント。


 ぜひ、お願いします。



「本当にお上手ですのね」

「こんな素敵な旦那様では、奥さまたちも気が休まりませんね」


 いや、日常的に気が休まらない率の高さは、自慢じゃないけど、俺が我が家で一番ですって。


 家庭内ヒエラルキーでは最底辺ですので。



「確かに、あんなに素敵な奥さまたちなら、旦那さまも心配で気が休まりませんって、おのろけはほどほどに、ですよ」


 参りました、降参です。



「どういたしまして、じゃなくて、ごちそうさま、ですね」



 何だろう、この圧倒的な安らぎ感。


 マリエレンさんは、タイプとしてはミスキさんに近いのだけど、


 何と言いますか、フェロモンマシマシオーバーブースト満開ってな感じなのです。



 多分これが、人妻界でも特異な存在『未亡人』の力。


『新妻』『幼な妻』『団地妻』『未亡人』は、言わずと知れた人妻四天王として有名。


 もちろんこの異世界では『団地妻』には遭遇不可なので、


 実質、三強による仁義なき闘い。



 いや待てよ、


 もし『幼な妻』が『新妻』してからの『未亡人』になっちゃったりしたら、


 手がつけられないほどの『はぐれ妻』に進化確定!



 いやいや、もちろん手をつけちゃダメって、分かってますとも。


『イエス人妻、ノータッチ』


 確かに俺は『モンスター』だが、守るべき矜持は、誰よりも持っているのさ。



「どうかなさって?」


 うぉっとマリエレンさん、そんなに近付いて覗き込んじゃ駄目ですって。


 俺には妻が四人と年上のメイドと、お腹を空かせたちっちゃなメイドが一匹、



「もう、変なアランさん」


 確かに今の俺、限界突破レベルで、変。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ