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10 お手紙


「リグラルト王国のヴェルクリで、新しい形態の孤児院が運営されますので、皆さんご支援よろしくお願いします、との事でしたよ」


 肝心かなめの訪問目的、


 ありがとう、メリルさん。



 孤児院の支援なんて、流石は特使勇者と若旦那、


 もちろん特使公爵も、って、


 あれ、なんか国名に聞き覚えが……



「私が頑張って代筆したお手紙の事、もうお忘れ?」


 ユイが、ぷっくりほっぺでおかんむり。


 って、昨日のアレですか!



 えーと、もしや代筆の依頼内容の式典って、その孤児院……



「呆れました! 依頼内容の確認もなさらずに返信なんて……」


 ユイの可愛らしいお顔が、真っ赤っか。



「なんとも失態続きだな、アラン」


 なんとも申し訳ないです、リリシア。



「モノカさんたちに叱られちゃいそう」


 出来れば穏便に、いや必ず内密に頼む、マユリ。



「もう代筆はお断りですからね」


 誠に申し訳ございません、ユイ姫さま。


 この不始末の償いは何なりと……



「リグラルト王国のヴェルクリって、確かニケルちゃんの住んでる街よね」


 正にそうだよ、ハルミスタ。


 ごめんスズナさん、すっかり忘れてた。


 この償いは身体で支払うよ。



「あっちに行ったらリノアさんによろしく、ですよぅ」


 本当にマイペースで羨ましいよ、ニエル。


 ただし、行く時はお前も道連れ、だぞ。



 とりあえず出席である事には変わりないので、ユイに代筆してもらった手紙をそのまま持ってギルドに向かうことに。


 出かける際に、なぜか妻たちからキツくお言いつけ。


 お昼は外で食べてくるようにとのお達し、


 そして、必ず三時ぴったりに帰るようにとの厳命。


 何やら謀略の気配を察知したが、問いただす前に我が家から追い出される。


 

 奥さまみんなで何やら相談中だったので、結局お出かけはおひとりさま。


 幌馬車スマキ2号のお馬さんたちの優しいまなざしだけが唯一の癒し、


 それが今の、俺。



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