11月1日 友だち
葵 「体調どう?」
私 「一昨日よりは、だいぶマシだよ」
葵 「よかった」
少しひきつった顔がゆっくり崩れていくことがわかった。
私 「ありがとう。薬飲むと副作用出るから、つらくてね」
葵 「そっかぁ。じゃあ、薬ない方がいいの?」
そういうわけではない。薬がなければないでしんどいのだ。
私 「うーん?なかったら、なかったでね。大変なんだよね」
葵 「難しいね、なかなか」
私 「そうだね。なかなか、簡単にはいかないよね」
再び、葵の顔が険しくなっていく。
葵 「今日は、出かけるの?」
私 「いや、今日は行かないかな。明日、病院行くよ」
葵 「そうなんだ。明日ってリハビリ?」
私 「そうね。検診してトレーニングとかもするよ」
葵 「トレーニング楽しそう」
楽しいかぁ、、、。何とも言えない。
私 「一人じゃないしね」
葵 「それだったら、頑張れそうだね」
私 「葵は、聖徳入ってから、部活入るの?」
しれっと話題を変えた。
葵 「うーん。いいのがあったらって感じ」
私 「どっちでもいいの?」
葵 「勉強の方がメインだよ」
勉強メインって、スゴイな。
私 「葵らしいね」
葵 「そうかな?」
私 「うん」
葵 「お姉ちゃんは、最近、誰かと会ってるの?」
私 「最近?」
葵がなぜ、この質問をしてきたのかが気になる。
葵 「うん」
私 「最近は、会ってないかなぁ」
葵 「そっかぁ。会いたい人とかいないの?」
会いたい人なんているのかな?自分でもよくわからない。
私 「そんなにないかな」
葵 「高田さんとか田中さんは?」
私 「あの子たちは、連絡いつでもとれるし、言ったら来てくれるよ」
友だちと言えば、聞こえはいいけど。そんな感じではない。
葵 「へぇ、そうなんだ。いいなぁ」
私 「いいの?」
葵 「うん。お姉ちゃん、たくさん友だちいて羨ましいよ」
友だちがいないのかな?葵は。
私 「そうかなぁ?」
葵 「そうだよ。そんなに、友だちいるのは、みんなから人気ある証拠だよ
人気ね。たしかに、今と比べたら、昔はあったのかもしれない。けど、実際のところはどうなのだろうか?
私 「うーん。あんまり気にしたことなかったな」
葵 「私も多くの友だちほしいよ」
どうやら、葵は、友だちを欲しているみたいだった。
 




