10月30日 お世辞
私 「あー、眠いな」
葵 「調子悪いの?」
薬を飲み干した私は、葵の方を向いた。
私 「薬飲み過ぎたかな?」
葵 「そんなに飲んだの?」
私 「普段は、もう少し抑えてるんだけど、今日はしんどいから」
今日は、いつもより体が重い。だから、薬を飲んだだけど調子がよくなりそうにない。
葵 「大丈夫?」
私 「うん、気にしなくていいよ。勉強して」
葵 「そう言われると」
私 「しにくくなるよね、私は自分の部屋戻るよ」
共感したものの、勉強の邪魔はしたくなかった。
葵 「戻らなくてもいいよ。今日も家にいたんでしょ?」
私 「そうだよ」
葵 「だったら、テレビでも見てゆったくりしたら?」
葵が帰ってきたのは、1時間ほど前だ。
私 「ありがとう、でも、もうすぐお母さんも戻ってくるしね」
葵 「そうだけど。いても迷惑ならないよ」
私 「葵には、勉強頑張ってほしいしね」
時刻は、17時30分を過ぎようとしていた。
葵 「別にいても頑張れるよ。それより、お姉ちゃん!」
私 「ん?なに?」
葵 「もし、体調よくなったら旅行行かない?」
私 「昨日、言ってたやつね?」
旅行か、最近行けてない。
葵 「うん」
私 「いいよ。葵が受験受かった後なら」
葵 「いや、受ける前がいい」
私は、髪の毛を触ってしまった。
私 「受ける前?」
葵 「うん」
私 「なんでよ?受かった後の方がいいでしょ」
葵は、私に同情してくれているのだろうか?
葵 「いやー、気分転換したいの」
私 「そうなの?」
葵 「そうなの。だめ?」
私 「葵が行きたいなら考えるけど」
なんで、昨日から旅行の話をしていたのか?なんとなくつながってきた。
葵 「やったぁー、嬉しい」
私 「そんなに?」
葵 「うん。最近、ずっと勉強してて疲れたんだよね」
私 「そりゃあ、疲れるよね」
葵の本心は、なんなんだろうか?
葵 「たがら、息抜きしたいのよ」
私 「わかった、じゃあ考えとくよ」
葵 「よしよし、これで勉強頑張れる」
本当に、こんなので頑張れるのだろうか?
私 「そんなんで頑張れるのかよ?」
葵 「もちろん」
私 「おかしいね、葵は」
葵の顔をみて思った。旅行行きたいというのは、お世辞じゃないみたいだ。




