10月27日 苦手
春風「久しぶりだな」
私 「うん」
春風「大丈夫なのか?」
タオルを首にかけていた春風は、いつもより強面だった。
私 「おかげさまでね」
春風「なんだよ」
私 「フフフ」
自然と笑みが溢れてしまう。
春風「リハビリどうだ?」
私 「春風くんのせいで、止まってるよ」
春風「そうなのか?」
驚く春風を見ると笑ってしまった。
私 「ハハハハ。冗談だよ」
春風「なんだ、腹立つな」
私 「そう言わないでよ」
春風「じゃあ、俺はトレーニングしてくるよ」
相変わらずストイックだな。春風くんは。このままだと私みたいに、倒れてしまわないか心配だ。
私 「えー、私もいきたいな」
春風「また、怒られるからやめて」
私 「じゃあ、どうしたらいいのよ」
春風「先生にでも聞いたら」
もう、あんな目にあうのはコリゴリだといった様子だった。
私 「そんなー」
春風「俺は、野球もあるし」
私 「今、野球してるの?」
春風「ああ。してるよ」
意外だった。
私 「たしか、部活やめたんじゃなかったの?」
春風「高校の時ね」
どういうことだろうか?
私 「今は、どこで野球やってんの?」
春風「クラブチームでしてるよ」
私 「そうなんだ。楽しそうでいいね」
クラブチームなんかあるんだ。私には知らない世界だ。春風くんは、たしか海美だよね。
春風「リハビリしてるから、全然だけどね」
私 「そうなの?」
春風「ああ」
私 「私も早く回復して一緒にしたいな」
春風「じゃあ、早く治せ」
テキトウにあしらっているようにも見えた。
私 「もっと、優しくしてよー」
女子っぽさを見せた。
春風「するわけねぇだろ」
全然興味がないみたいだ。なんか、それはそれで嫌だな。
私 「なんでよ?」
春風「なんで、優しくしないといけないんだよ」
私 「女の子に優しくしたことないの?」
春風「ないよ」
驚きだ。こういう素直に発言することがこの子のいいところだ。
私 「なんで?」
春風「もともと人と絡まないからな」
私 「そうなの?」
自分でもわかっているのか。人とからむ苦手を?
春風「ああ」
私 「そっかぁ」
春風「人は、苦手だ」
私 「でも、私は普通だと思うけどな」
久しぶりに会ったが、こうして話せたのはとても嬉しかった。




