俺は山ごと 異世界に転移しました
もう山暮らしをして三年に成る。 俺は小さい頃、爺ちゃんに山菜採りや、狩り、薪の作り方に農作業 漁や仕掛けの作り方 泳ぎ方に至るまで、色々と教えてもらった。
両親が東京に引っ越してからは俺も東京の大学に進学したが、俺は大学を卒業と同時に 爺ちゃんの田舎の家に1人で引っ越してきた。
爺ちゃんは老人ホームに入っちまって、爺ちゃんの家は空き家状態だったんだけど、俺は東京がどうにも性に合わなくて、いつも田舎に戻って住みたいと思っていた。
爺ちゃんの家は岐阜県の山の集落に有って、車を使って公道や高速道路に出るのに20分かかる。
冬は豪雪が降り夏は蒸し暑いが 秋は紅葉が綺麗で、年中草の匂いがして、水や空気が美味いこの環境が気に入ってる。
家には600坪の畑が有って、山の一部の山林は爺ちゃんの所有だ。
俺は時折、爺ちゃんの山林で山菜採りや椎茸栽培をして、畑では野菜を作って、時折地元の人の手伝いや木こりや雪下ろしのバイトをしてお金を稼いだりしてるが、使うのはネット代と携帯代くらいで基本時給自足に近い生活をしている。
電気もガスも有るけど、風呂も薪だしトイレもポットンだ。
囲炉裏も有るから、蛍光灯以外の高熱費はほとんどかからない。
爺ちゃんの山林は山奥に有って、他に周辺の山も所有してるそうだが、どこ何処からどこまで所有かはしっかり調べてないから俺にはわからない。
俺は猟友会に入って、狩猟の免許を取った。空気銃と猟銃や罠など一通り扱えるが、もっぱら使うのは空気銃だ。
たまに罠を仕掛けるが、それも自分の敷地内で仕掛けっぱなしで、時折確認する程度だ。
子供の頃は爺ちゃんの手解きを受けて、罠の仕掛けを作るのにハマっていたが、 今はどうも俺は大きい獲物(鹿とか)を捌くのが苦手で、もっぱら空気銃で鳥とかを狙う方が性に合ってる。
その日の朝、俺は山林に裁判してる椎茸を採りに行くついでに 自分の罠を見て廻っていた。 するとそこに。。。 緑の肌のおっさんが、俺の罠にかかっていた。
「あ 、 あ『の?』」 、、、
「ガウ」「ヴゥルルル」
俺は驚いて、声にならなかったが 声かけをしようとした。 しかし、おっさんは威圧して来て、しかも喉を鳴らしている
俺は全力ダッシュで逃げた
俺はダッシュで家の前まで戻って来た。
すると向かいに住むお婆ちゃんが、自分の家の溝掃除をしている。
「 お、お婆さん」
「なんなぁ?」
「さっき、変な人、見かけてよう。。。」
「なんねえ 変な人て」
「それが、緑の色をした人が、俺ん地の山林で 俺ん地の罠にかかってて。」
「はぁ」「???」
「 とにかく、役所に電話してみるわ」
俺は家に戻って、携帯電話から いつも世話になっている役所の地域振興課に電話をしてみる
「はい 故郷〇〇課 川崎です」
俺 「 あ 川崎さん、永井です。 実はさっき、変な人が俺の山林に居て、 なんか全裸っぽい格好して緑の なんか特殊メイク?みたいな厳つい顔のゴツい人がですね。。。 なんか変な話なんですが、俺の罠に かかってて。。。」
川崎「へ?。 変な人が ですか? 不審者ですか?」
俺 「ええ そうだと思うんですが、なんかTVの撮影とか どっきりとかですか? なんかそんな撮影とか有りますか? 俺ン地の山林 勝手に使われても。。。」
川崎「 すいません、ちょっと解らないんですけど、永井さんの山林で、誰か居て 何かあったんですか?」
俺 「俺が山林に行ったらですね? 腰に薄い毛皮か茶色い布っぽい生地を巻いて、ほぼ全裸で、青鬼?みたいな格好をしている 人が、俺の罠に片足だけかかってて。。。
「顔とか牙生えてた?特殊メイクっぽかったみたいな顔でしたし、めちゃめちゃ体格よかったんですけど?」
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俺は川崎さんに、(何か撮影なのかもしれないので)情報の収集と対応の為に、とにかく警察と救急車を念の為に呼ぶようにお願いする。
川崎「すいません。私今から用事があるので、終わってから対応しますね?」
俺は思った… 『まあまあやる気ないな』…
俺は、川崎さんとの電話を切り、
猟友会のメンバー 山内さんに連絡をする
山内さんは、俺の猟友会の師匠的な人だ。三年前にここに移り住んでから何かと世話になっている
歳は74歳で元自衛官の偉いさんだった人だ。今は趣味で山で熊を狩って、自宅の倉庫で熊の缶詰を作っている。
現地に行くと。。。 居た! みっさ見てる
「あのー。。」 『みっさ見てる!』
「あのー 喋れますか? 喋れ無いなら手を挙げて。。」
「 ガォー! 」
俺 「お 落ち着いて!」
「他に(スタッフの人とか) 誰か近くに居ますか?」
居ないなら手を挙げて
「ガァァァァー!」
『みっさ手を振り回してる』 こっちに向かって来ようとしてる!
「 ちょ、」「 落ち着いて、、」
『 嘘だろ?! 』 ワイヤーに絡めてる木が、めっさ左右に揺れてる!!
『熊でもあんなに揺れ無いよ!』
「ガァァァァー」
俺 「とにかく ワイヤー 外しますから。。。」
俺は ジリジリと… 下がる
「 足、危ない…」 …
俺は ジリジリと … 下がる
背を向けて、 戻った
早足で戻って、 途中まで乗ってきた軽トラックに乗り込む
『 嘘だろ? あの人 オカシイよ… 』
「 山内さん 早く来て〜!! 」
俺はトラックの向きを家の方に変えて、いつでも逃げれる様にスタンバイしている
…
『山内さん、遅い!』
俺は20分ほどして、山内さんに電話をした
山内「 行ったよー?」 「何も無かったよー?」
俺「え?」「どこ行ったんですか? 場所間違ってません?」
山内 「ビニールハウスだよ? 誰もいなかったよ?」
ビニールハウスからすぐ見える位置に奴は居るので、居ない訳が無い
俺 「とにかく直ぐに戻ってください! 車ですか? 直ぐ戻って 僕ん家に来てください」
山内さんは 車に乗り込んでいたので、そのまま俺の家に来て貰う様にお願いした。
俺は家に帰り、コップに水を汲んだ後 飲み干し、山内さんに電話をした。
「山内さんどこですか?」
山内「着いたよー」 「君ん家だよ」
俺「え?」 玄関ですか? 中入ってください。鍵付いて無いので」
山内「中だよー」
俺「え? どこですか?」
山内 「冷蔵庫の前だよー」
冷蔵庫は俺の目の前に有る
俺「ウァァァァ!」 … 「幽霊………?」
山内「ん? 幽霊?」
俺「はっはっはっ 冗談はやめてください。」「あー そうか~ びっくりだなぁ なるほどー。 びっくりしましたよ〜 あれでしょ? びっくりカメラ」
山内 ?「ビックカメラ?」 「?」 「何言ってんの?お前」
俺 「はっはっはっ どっきりカメラ 」
俺「 いや〜 なるほど〜 びっくりしすぎたなぁ俺 」