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いつのまにか女子扱いになっていったボクの中学時代  作者: 栄啓あい
第一章 中学一年生 一・二学期
9/30

第九話 結果発表

 全学年の合唱が終わると、吹奏楽部の演奏や、職員合唱、PTAの合唱などがある。


 職員合唱では、笑いがすごかった。


 なぜか歌ってるだけで笑われる職員って・・・。


 三年生の中では、先生の名前を叫ぶ人もいた。


 それらがいろいろ過ぎて、審査結果の発表の前の休憩に入る。


 「あきちゃん、いよいよだね」 

 「そうだね。どうかな・・・楽しみ」

 「ドキドキするねー」

 「でも、いっぱいやったんだから、大丈夫だよ。まだ三年もあるし」

 「そうだね。気楽に考えよう。大丈夫だから」


 そうして、審査結果の発表の時間になった。


 『それでは、審査結果の発表をします』


 そうは言っても、やはりドキドキする。


 呼ばれるかな・・・。


 『まず、一年生、優秀賞は―』


 そうして、前奏が流れる。


 あっこれ・・・。


 『三組です』


 前の方から静かな喜びが聞こえる。


 あ・・・呼ばれなかった。


 『一年生、最優秀賞は―』


 違う前奏が流れる。


 ・・・終わった。


 『一組です』


 さっきより大きな歓声が聞こえる。


 二組、ダメだった。


 ピアノコンクールでダメだった時と同じような気分。


 残念。


 でも、納得のいくものができたから、いいかな。


 「亜貴、残念だったね」

 「うん。まあ、また来年もあるから!」

 「藤本・・・さん、ピアノよかったよ」


 私の姿を見て、「くん」とというのをためらってるし・・・。


 ま、いっか!


 「ありがとう!」


 でも、内心少し悔しかった。


 絶対来年、リベンジだ!


 

 こうして、合唱祭は終わり、すぐに帰らされた。


 帰りも香華と帰る。


 「亜貴と香華が並んでると、やっぱり女子二人が普通に歩いてるようにしか見えない!」

 「そう?やったね!あきちゃん!」

 「いや、違うでしょ」

 

 そんな感じで、一緒に帰る。


 「あきちゃん、どうだった?」

 「楽しかったよ。ソプラノ行ってやっぱりよかった。歌ってたら感動したし」

 「そうなのー?緊張はしてなかったっしょ!」

 「うん!あと、本番中だったけど、ウインクありがとうおかげでまたいいやる気がみなぎったよ」

 「あっ気付いてたんだ!」

 「一応返しといたよ」

 「あっそうなんだ。それは気づかなかった!」

 「まあ、香華も合唱に集中してたしね」

 「そうだね」

 「いやーそれにしてもあのピアノ、気持ちよかったー!また弾きたい!」

 「そっかー。楽しそうだったもんね。私もちょっとまたやり始めようかな・・・」

 「・・・え?香華、ピアノやってたの?」

 「えっ?あ・・・小学校の頃、ちょっと・・・ね」

 「ええー!今度聞いてみたい!」

 「そんな大したことはないわよ。あきちゃんの方が絶対上手いし・・・今やってないし」


 香華の声が、少しずつ小さくなっていく。


 「そっかー。ま、いいや。ところで、この制服どうするの?」

 「え?ああ、忘れてた!」

 「ええ・・・」

 

 そして、一息おいて言う。


 「明日は学校ないでしょ。だから、とりあえず貸しておくよ。来週返してもらえればいいから・・・さ」


 香華の顔は何かをたくらんでいるようにも見える。


 でも、今日は疲れているので、結局従ってそのまま帰ることにした。


 「じゃ、また月曜日ねー」

 「ばいばーい」


 そして、香華と別れて、中一の合唱祭の日は、幕を閉じた。

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