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いつのまにか女子扱いになっていったボクの中学時代  作者: 栄啓あい
第二章 女の子にされていく日々
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第二十三話 三学期始業式

 今日は待ちに待った(?)始業式だ。


 みんなにまた会える、という喜びと、勉強しなきゃ、っていう倦怠感がいろいろある。


 とまあ、そんな感じで、三学期が始まるわけですわ。


 「おはよー」

 「あ、あき!おはよー」


 三学期ともなると、学校にもすごく慣れて、少々たるみがちになってしまう。


 気を引き締めて!



 「冬休み何してたー?」

 「私は…ちょっと旅行してたなあ…」

 「えー!すごーい!どこどこー?」

 「北海道~」

 「いいなあ。私ずっと寝てたよー」

 「そうかあ。はい、お土産」

 「わあ、ありがとう」


 そんな声が聞こえる。


 正直その中に参加する意義も見つからないし、適当に自分の席で聞いていた。


 私は自分からはどっかに所属しようとはしない。


 だって…


 「あき~。お土産~あげる~」


 勝手にだれか話しかけてくれるんだもん


 たまにうっとうしいときあるけど。


 「ありがとう!私なんも持ってないけど、ごめんね」

 「いいのいいの、全然!」


 そういってまたどっか行った。


 なぜそんなに頻繁に来るかなあ、普通にしてるだけなのに。


 私には私のやりたいことがあるから、仲良いわけでもないような人との会話はうわべでいい雰囲気になってればまあいい。


 ただ、仲良い人とは徹底的にしゃべるけど。


 「あき、おはよっ」

 「お、香華、おはよ~元気だった?」

 「そりゃあ元気よ!おかげさまで」

 「香華はなにしてた~?冬休み」

 「私は…なんもしてない!」

 「まあ、そうよね。ちなみに、宿題は…?」

 「あ、数学だけちょっと残ってるんだった…やんなきゃ」

 「がんばれがんばれ!」


 そんな感じで、友達関係は好スタートだ。


 「は~いみんな席着いてー」


 国本先生が教室にやってきた。


 すると、ちょっとまだ残っているが、みんなしゃべるのをやめて、席に着いた。


 「今日から三学期ですね。この時期になると、みんなたるみがちですが、引き続き、気を引き締めながら、楽しく過ごしていきましょう」


 ああ、学校始まったんだな…


 冬休みが少し寂しく感じる。


 そして、始業式に向かった。


 「おーいうるさいぞお」


 学校では特に面白い名物教師が注意をする。


 なんていうか、小太りの中年って感じの人で、一生彼氏ができなさそうな雰囲気なんだけど、授業はすごく面白くて、楽しい。



 体育館は寒い。


 とっても寒い。


 なんでこんなに寒くなっちゃうんだろ。


 ブレザーしてるけど、足が震えるほどさむいんだ!


 とりあえず色々話して、なんか校長先生の話になって、だらだらと進行していった。


 みんな全然聞いていない風であった。


 「―これで、校長先生の話を終わります」


 もちろん私もそこまで聞く気なかったけど。


 そのあとは、校歌を歌った。


 私は、校歌を歌うのはまあまあ好きなほうだ。


 合唱曲を歌う楽しさには負けるけど。


 高校入ったら合唱部かな。


 ってくらい。


 校歌が終わると、生活指導部の話があって、始業式は終わった。


 正直始業式なんて放送でいいんじゃない?


 っていっつも思うけど、集まるのが大事なのかな。


 まあ立ってれば自然と姿勢とか態度とかも改まるし、そういう面ではいいのかもしれない。


 教室に戻って、しばらくがやがやしている。


 「藤本さん、久しぶり」


 話しかけてきたのは作実だ。


 「久しぶりーどうしたのー?」

 「…お正月の時、すれ違ったけど何も話せなかったからさ」

 「ああ、そういえば。ごめんね」

 「いや、全然大丈夫なんだけど。ところで、国語の宿題って文章の要約もするんだよね?」

 「うん。そうだよ」

 「よかったーやっといて。藤本さんやった?」

 「うん、まあ、なんとか」

 「よかったらちょっと見せてくんない?」

 「あーいーよー」

 「おう。えーっと、こんな感じか、あでもうちょっと書いたほうがいいのかな…。うん、ありがとう」

 「はーい。あと、英語の宿題って提出しないやつやった?」

 「え?ああ、やってない…わ」

 「やっぱ。私もやってないよー」

 「そ~なんだ」

 「やってる人えらいよね」

 「そうだね」

 「う~ん」

 「じゃあ、またな」

 「うん、じゃあね」


 朗らかな会話ができてよかった。


 そしてまた国本先生…じゃなくて、先ほどご紹介した名物教師の左近先生がやってきた。


 「社会の提出物は、社会科室の先生の机に置いといてください。社会係さんお願いします」


 それを伝えてどっか行ってしまった。


 「社会係ー!聞いてたかー?」

 「え?なに?」

 「提出物、社会科室の机に置いとけだってさ」

 「はーいありがとー」


 ちなみに私は国語係なので、後持っていかなければならない。


 そうすると、今度は穂積先生がやってきた。


 「英語は毎度のことですが、理科室に置いておいてください」

 「わかりました」


 そしてやっと国本先生がやってきた。


 「はい、じゃあ、まずは提出物を出してくださーい。出席番号順にお願いします」


 よし、じゃあ、提出物をまとめよう。


 国語のワーク二つ、書初め、数学の問題集、社会のワーク、プリント、理科のノート、…あれ、英語がない…。


 待って待って!そんな!入れたはずなんだけど…。


 ない!ないよ!


 どうしよう、自分の番回ってきちゃう!


 ええい!あるものだけ出しちゃえ!


 とりあえず、英語以外のものは全部出した。

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