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いつのまにか女子扱いになっていったボクの中学時代  作者: 栄啓あい
第二章 女の子にされていく日々
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第二十二話 着物とは

 一月二日になった。


 私たち四人は、今日は神社に初詣に行くことになっている。


 ちなみに、四人とは、クリスマスパーティーの時に一緒になった香華と邦子とゆっきーだ。


 私は、前日に、着物を着ていこうという話になって、前に買った記憶があったので、お母さんに聞いたら、あったので、準備してもらった。


 今日着付けしてもらうって言ってたから早起きをしていた。


 今日の11時に香華の家に集合なので、割と時間はある。


 そして今は七時半。


 楽しみで少し早く起きちゃった。


 とりあえず、眠い目をこすって、顔を洗って、髪を梳かして、ぼーっとしていた。


 そしていつもの通り十分くらい経った後、朝ご飯を食べるためにご飯をよそって梅干しとか取って食べている。


 昨日のおせちの残りがあるから、今日は準備が楽だ。


 ご飯を食べていると、お母さんが起きてきた。


 今日はお母さんも張り切っているようだ。


 私も着物着るの楽しみだからね。


 ご飯を食べ終わると、とりあえず持っていくものの準備をして、シャワーも浴びて、お母さんを待った。


 お母さんが準備ができると、部屋に呼んでくれた。

 

 「さあ、あきに着物を着せていくよ~!」

 「は~い」


 お母さんは楽しそう。


 最初は靴下から足袋を履くところから始まった。


 そして、上が始まった。


 「まず、着物を着る前に、下着のようなものを着るの。これがないとまずは始まらない!」

 「うん」


 そう言って、肌着を着た。


 「着た?体型は…まだそんな成長してないし、あきの体型女の子にほぼ近いから、大丈夫だね!じゃあ、ちょっとこのタオル巻いてあげるねー」

 「これは何の意味があるの?」

 「このタオルがないと、後々帯とかつけるときとかに大変なのよー。だから、大事」

 「へえ~」

 「よし。じゃあ、次は、長襦袢ね」

 「ナガジュバン??なにそれ」

 「これは、着物の下に着る、汗とか汚れが中から着物につかないようにする、一応これも肌着の仲間なんだけど、着物を着る際に着物に中から触れさせない!っていうことで着ないといけないの。防寒にもなるわよ」

 「結構着物に近い形しているね」

 「でもほら、生地が薄いでしょ?」

 「ほんとだ」


 そして、いろんなことに気を付けながら、着せてくれた。


 「そしたら、次はやっとちゃんとした着物ね」

 「やったあ」


 私の着物は、とても薄い青い色で、買った時は結構気に入っていた。


 「じゃあ、まずこっちの布をこう持ってきて、こう、こう・・・」


 と、いろいろやってもらっていると、いつのまにかできていた。


 「できた!こんな感じかな」

 「でも、なんかまだ完成って感じがしないね」

 「帯がないからじゃない?」

 「ああ、そっか。忘れてた」

 「帯も締めてあげるねー」

 「はーい」


 すると、また帯じゃないなんかの布を持ってきて、色々結んだんだかなんなんだかよくわからないうちにそれは終わったっぽく、今度はそれを留めてちゃんとした帯でぐるぐる巻いて前も後ろも色々ごちゃごちゃやっていると、どうやら完成したっぽかった。


 「はい、できたよー」

 「全然何やってるのかわかんなかった」

 「そりゃ、見ただけじゃあわからないよ。お母さん、今まで何回着たと思ってんの」

 「まあ、そりゃそっか」

 「また今度ちゃんと結び方教えてあげるね」

 「ありがとう」

 「それと、この上で化粧する子も多いんだけど、まだ中一だから肌にも悪いし、そもそもあきはそんなことしなくても十分可愛いから、だいじょうぶだよ!」

 「うん!わかった」


 すっかり私も上機嫌~


 時間を見ると、着付けは30分もやっていた。


 お父さんがそこへ来て、「あき、ほんとにかわいいなあ!」とずっと褒めまくっていった。


 集合時間の三十分前になっていた。


 私の家から香華の家までは、遅くとも10分はかかる


 「いつもより歩きにくいんだから、いつもの倍は時間見といたほうがいいよ」


 と言われていたので、20分前には家を出た。


 「いってきまーす!」

 「いってらっしゃい。気を付けてねー」

 「みんながあきのこと見たらめろめろだなあ」


 というお父さんには少しだけ目を合わせて、家を出た。


 確かに、下駄は本当に歩きにくい。


 いつもより歩幅は遅くなるし、何より、歩くのが怖い。


 ファッションは我慢とか言うのって、こういう事?(ちょっと違うと思う)


 結局、なんだかんだで15分はかけて香華の家にたどり着いた。


 ピンポーン


 ガチャ


 「は~い…どちら様?」


 香華は私のことをすごくまじまじと見て、不審そう。


 「え??ふじもとあき…ですけど」


 「え?ああ!あきね!あんまりに別人だからわかんなかった!うんうん。確かに言われてみればそうだね!ごめんごめん!」

 「そんなかな。」

 「だって、そんなに可愛く着物を着こなしてちゃ、わかんないよ~。ほんっと羨ましい。うん。すっごくかわいい!似合ってる!」 


 そう言う香華も着物を着ていて、惚れるほどかわいかった。


 「さ、入って入って」

 「お邪魔しまーす」


 入ると邦子は既にいた。


 「あ、邦子、あけましておめでとう」

 「あき!久しぶりだね。おめでとう。着物すごくかわいいね!青ベースの色がばっちりあってる!」

 「あ、ありがとう!邦子もすごく似合ってるよ!かわいいね!」

 「ありがとう!!今日はよろしくね」

 「そうだね!」


 少し待っていると、ゆっきーもやってきて、みんな揃った。


 ゆっきーもそれはそれは可愛くて、みんなで褒め合っていた。


 それから10分くらいして、みんなで香華の家を出た。


 神社までは歩いて10分くらいなので、そんな負担ではない。


 神社に着いた。


 「やっぱり結構人いるねー」

 「そうだねー」


 その神社は、地元では結構人気の神社で、色々行事があるたびに、人が結構集まる。


 まずはみんなでお参りをする。


 二回礼をする


 パンパン


 今年も健康でいられますように


 あと、ピアノと勉強の上達も


 そして一回礼をする


 その後はそこから戻り、少し歩いていた。


 「ところでさ、お参りをするときってお願いしないのが普通らしいよ」

 「え?そうなの?」

 「がっつりお願いしちゃった!」

 「まあ、お願いしちゃってもいいと思うけどね」

 「感謝をするところ、なんだって」

 「そうなんだ~初めて知った」


 そして、いろんな屋台が出ているところを歩く。


 「あんずあめ食べよー」

 「いいねー」


 あんずあめをみんなで食べながら、話しながらゆっくり歩いていた。


 すると、誰か知っている人とすれ違ったような気がした。


 作実とそのお父さんだった。


 私はちょっと会釈だけしてすれ違った。


 すると作実は目を丸くしてこちらと目が合った。


 作実の顔がちょっと赤かった。


 その後は、甘酒を飲んだりお汁粉をもらったりして、神社とその周辺で一時間くらい過ごして、お昼ごはんをみんなで食べた。


 お昼ご飯は近くの和食屋さんで、とってもおいしかった。


 今日はとっても充実した一日となった。


 「みんな、今日はありがとうね!楽しかった!また遊ぼ!」

 「うん!じゃ、またね」


 そう言って別れ、年の初めから楽しく始まった気がした。

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