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いつのまにか女子扱いになっていったボクの中学時代  作者: 栄啓あい
第一章 中学一年生 一・二学期
12/30

第十二話 月曜日―教室

 登校をして、教室に入る。


 「あき!やっぱかわいいねー」

 「うう・・・」


 でも、何だか、少し恥ずかしいけど、言われても悪い気はなくなってきた。


 むしろ、嬉しいと思うようになってきた。


 「お、亜貴はもう女になったんか?」

 「おはよう、晴海。そういうわけじゃないんだけど・・・ね」

 「あっきー!大丈夫!」


 そう言って、作実はグッっと親指を出してくる。


 「作実まで!」


 そんな会話でちょっと、いや、結局このままの姿で馴染んでいた。


 授業が始まると、手をあげる時間が出てくる。


 「この問題、わかる人ー」


 そうすると、みんな一斉に手をあげる。


 そして私も手をあげる。


 「じゃあ、藤本・・・さん」

 「はい!」


 ああ、もはや先生もためらうんだなあ。


 休み時間になって、私の所に少しばかり群がってくる。


 「あき、合唱祭お疲れ。ありがとう」

 「いやいや、別にあれくらいは・・・」

 「声高いとその格好も似合うねー」

 「そういうもんかねえ」


 慣れてきた。慣れてきた。


 なんかちょっと照れるくらいで色々言われてもあんま感じなくなってきた。


 でも、私にとっての最大の難関は・・・


 トイレ、行きたい。


 とりあえず男子トイレに行くが・・・


 「藤本!ちょっと!何でこっちにいんだ!あっちだろ!」


 と追い出されるし・・・。


 だから、水をあまり飲まない、そして行くときは晴海たちに見に行ってもらう。当然個室


 ・・・など、トイレに行くだけでも一苦労といったところだった。


 

 でも、さっきから思っていたんだが、女子としゃべっていると、なんか楽しいんだよなー。


 なんていうか、話が合うっていうか、話しやすいっていうか・・・。


 もちろん、男子と話すのは全然抵抗ないが、男子と話すと会話が続かないこともあって・・・。


 なんだろう、女子の中に溶け込みたい気持ちがあるような、そんな感じだ。


 別に、スカートを穿いていることに抵抗はないんだが、女子として認められていく感じは、何か違うんだよな・・・。


 まあ、そんな気にしなくていっか。


 でもどうして急にこんなことになったんだ?


 香華は一体私に何をさせたいんだ?


 それを香華に聞いてみるんだが、帰ってくる答えはいつも


 「あきちゃんのため」


 という。


 私のためにすることってなんだよ!


 あと、泰平の「あき姉」も本当ならどうにかしないとなんだけど、なんかもうそれはそれで「良い」と思ってるし・・・。


 ああー!もう、わかんない!


 とにかく今は学校に集中だ!


 後でじっくり考えよう!


 いずれこの悩みも解決するっしょ!


 でも、この悩みはあきの思っていたのとは違う方向に解決していこうとしているのだった。

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