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いつのまにか女子扱いになっていったボクの中学時代  作者: 栄啓あい
第一章 中学一年生 一・二学期
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第一話 入学-1


 「二組、藤本亜貴さん。」

 「はい!」


 入学式も終盤にさしかかってきている。


 ――そろそろ終わるか。そして、ここからまた新たな生活がはじまるのか。

 そう思うと、嬉しさもあり、その反面、不安もあった。


 

 私は、藤本 亜貴(あき)

 都会って言われればそうかもしれないが、ほどほど緑のある、都心に近いところに住んでいる。

 

 この前、小学校を卒業して、今は中学校の入学式を行っている。


 正直、小学校はいろんなことがあった、楽しい思い出もあったが、トラブルやもめごと、喧嘩までもしたことがある。


 頭は悪くなかったので、授業にはついていけた。


 勉強は楽しい。将来できれば頭のいい高校に入りたい。

 しかし、まだまだ2年後のことはわからない。


 とりあえず、今は中学のことについて考えよう。


 


 入学式が終わり、それぞれ自分たちの新しいクラスに入った。私は、二組だった。同じ教室には、小学校のころから仲が良かった、トマトが大好きという言葉がキャッチフレーズなくらいトマトが好きな、中山 晴海(はるみ)もいた。


 「晴海、同じクラスだったね。」

 「おう、亜貴。久しぶり。元気だった?こちら、さっき友達になった、佐藤 作実(さくみ)新間(にいま)小だって。」

 「よろしくね。」

 「こちらこそ。私は藤本亜貴。穂崎(ほざき)小だよ。中学、いろいろと楽しみだね。」

 「そうかな。僕はあんまりそう思わないかも。だって、中学生って忙しそうじゃん。もう自由な時間なんて無いかもしれないよ。」

 「考えすぎだよ。佐藤くん。もっと、前向きに考えていこうよ。」


 そんなやりとりをしていたら、担任の先生が入ってきた。


 「はーい。みんな席について―。」

 

 確か、何とか本先生だった気がする。

 朝は忙しくて、先生の名前をあまり覚えていなかった。


 席に着いたら、先生が話し始めた。

 

 「あらためまして、私は、国本由利子です。二組の担任になります。中学生の頃は、卓球部でした。好きな食べ物は、リンゴです。よろしくお願いします。」


 入学式の時はあまり気にしていなかったが、改めて見ると若そうな先生だ。


 「では、まだこのクラスにも慣れていないかもしれないので、簡単に自己紹介くらい一人ずつしていきましょう。名前と、いた小学校名くらいは言いましょうか。あと、好きな食べ物とか、得意なこととか、なんか一言言いましょう。それでは、出席番号が一番の人から順に言っていきましょう。それでは、お願いします。」


 「渥美 邦子(くにこ)です。新間小でした。好きな食べ物は、さくらんぼです。よろしくお願いします。」


 パチパチという拍手のもと、自己紹介が始まった。


 自己紹介は続く。


 「神田 香華(きょうか)です。栢山(かやま)小学校でした。音楽が好きです。よ、よろしくお願いします。」


 今までの自己紹介をあまりよく聞いていなかった。しかし、雰囲気も、名前も、どこかで見たことがあるような気がする…。


 何かのつっかかりができたまま、さらに自己紹介は続く。


 「僕は、佐藤作実です。新間小でした。えっと、好きなことはテニスです。よろしくお願いします。」


 さっき会ったばかりの人なのに、心の中では親しいような気がしている。でも、まだまだみんなのことは知らないことが多い。これからいろんな人と友達になっていろんなことを少しずつ知っていこう。


 「中山晴海です。穂崎小でした。トマトが大好きで、いろんな土地のトマトを食べて回っています。よろしくお願いします。」


 晴海と同じクラスだったのはラッキーだったな。楽しい中学時代が始まりそうだ。


 そろそろ私の出番だ。何言おうかな。


 「26番の人、どうぞ。」

 「はい。藤本亜貴です。穂崎小でした。ピアノをやっています。えっと、よろしくお願いします!」

 

 緊張のあまり上手くできなかった。でもすぐ慣れてくるだろうから、リラックスしよう。


 そう思っていたら、突然声を掛けられた。いや、正確にいうと、振り向かれた。さっき発表していた、25番の橋本由紀さんだ。

 

 「あら、ピアノやってるの?私もやってるの。同志がいて嬉しいわ。」

 「え、あ、うん…。」



 自己紹介が全員終わった。

  

 「それでは、この中学校についてのプリントを配ります。」


 それから、中学の説明や配布物などの受け取りをした。みんなわくわくしているような感じだった。私ももちろんわくわくしていた。


 「では、今日はこれで終わりです。明日は8:25までに学校に来てください。それでは、起立、気をつけ、礼。」

 「さようなら。」


 こうして私、藤本亜貴は入学した。

このお話では、主人公は「私」と言っていますが、主人公は男です。

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