晩夏
何か若さの伴うものの終わりを書きたいように書きました。
エッセイでも詩でも何でもないのですが、ジャンルが分からずエッセイにしておきました。
短いので是非読んでみてください。
絵画のような景色を背にペダルを漕いだ
誰も知らない道を通っていつまでも漕いだ
一秒先の心身に
確かな爆発を感じていた
ある日、近所のおばちゃんが心筋梗塞で倒れた
いつからだろう、おばちゃんと話さなくなったのは
どのくらい前からだろう
疲れた自転車を押しながら雲の流れを見ていた
流れる雲と目が合うことはなかった
雲が橙色に染まった頃
全身体から放散する熱に
とうとう置き去りにされた
振り返って見た道は
誰でも知っている道だった
その道を振り返る自分は
誰にも知られない生き物だった
次第に怖くなって
自分の影を追いかけるように帰った
サイクリングとまでは言いませんが、自転車に乗ることが好きなのです。
目的地を決めずに乗りたい。
そんな私はまだまだ子供なのでしょうか。




