スライムの初めての獲物
ゴブリンの詳細
緑色の肌と子どもの様な背丈、醜く歪んだ顔が特徴的なモンスター。
強者には忠実で弱者には狡猾な性格の者が多く、全体的に同族の雌は少ない。
また雄の好む容姿は人間と変わらなく、美貌の女性を見つけては拐ってきて、自分たちの子を孕ませる。
知性はあるが理性がほとんど無いとも言われている。
作戦としてはこうだ。
1に、10匹ぐらいをゴブリンの目の前に囮として置く。
2に、強襲部隊を木の上のに待機させる。
3に、何匹かを待機させた木の下まで誘導する。
あとは、上から降ってきて覆い被さるように攻撃すればOK!
弓使いの方は誘導している時にでも後ろから襲えばいいだろう。
強襲とかいっても木の上からスライムが降ってくるだけだし、驚いて倒れたら、後は数で押しきる形でなんとかなるだろう。
駄目ならもう一度囮でも使って逃げるのみ。
でもこれは最後の手段にしたいな。無駄死にはさせたくないし。
よし、作戦開始だ。
「ウガ!獲物ガイタゾ!!」
「アレハ食エナイ、デモ、倒ス。」
「オデノ弓ハ出番ガ無サソウダ。」
ウェーイ!しゃべったー!
あ、びっくりしすぎてテンションが変になってた。
とりあえず、作戦の第一段階は成功かな。
みんなも木の上に登って行く。
俺は草むらに隠れる。体の色が色なのでぱっとみばれないだろう。
ん?俺も隠れてないで働けと?やだよ!
大体俺が死んだらもともこうもない。
「ヤット倒セタカ。」
「スライムノ癖ニ。」
「生意気ダ!」
どうやら囮の方は全滅してしまったようだ。すまん、囮組のみんな。
あとは、あのゴブリン達を木の下まで誘導するだけだ。
「アッ!アソコニモ居ルゾ!」
一匹のゴブリンが誘導隊のスライムに気づいた。
よしよし、後は下まで来たら殺るだけだ。
弓使いに気づかれない様に草むらと他の木の影にていつでも飛び出して行ける様に準備する。
「オ前ラ!食エナイ!イイ加減ニ。」
よし!今だ!!
上からスライムが大量に降り注ぐ。
「!?」 「ナ、ナンダ!?」 「木ノ上カラ何カ降ッテ来タゾ!!」
人などは、突然の出来事に対処しにくいとよく聞く。訓練すればその間の時間を縮めれるとかなんとか。
まぁ、こいつらが人かは知らんがな。
そして、スライムの雨で二匹のゴブリンは倒れる。
「ン~!!」
「ダ、ダスゲッウ!?」
ゴブリンの口の中にスライムが滑り込む。
隠れてたスライムも次から次えと二匹のゴブリンに集まってくる。
「イ、今助ケル!?」
弓使いが目の前の状況に気をとられてる隙に裏に回り込んだスライムたちに襲われてすでに他を助けれる状態ではなくなった。
うわ~、えげつないな。口の中に入って窒息てどうよ。
強い相手と戦う場合は、窒息させるのか。
まぁ、こっちが真っ正面から戦う必要はないから仕方がない。
許せゴブリンよ。恨むなら、この弱肉強食の世界を恨め。
三匹のゴブリンたちが息たえたのと同時に頭に声が響いた。
『グリーンピースのLvが3に上がりました。』
グリーンピース言うの止めろや!こっちは忘れたいの。
てか、だれだ?一瞬先生かと思ったが、こっちは声色から男性ぽい。
『先ほどは"世界の声"です。』
世界の声って先生とどう違うんだ?
『天の声はあくまで、個体グリーンピースの鑑定の性能にすぎません。世界の声はこの世界の声です。』
後半がまったく説明になってないよ先生。
でも、なんとなく解った。
先生とは別物ってことでいいか。
Lvも上がったし、鑑定でもするかな。
誤字、脱字等ありましたらご連絡下さい。